「レオン。カブトムシ欲しい?」
ピースが突然、奇妙な質問をした。
「いらない。そんな子供じゃないし。」
とレオンは返した。
「マジか。困ったなー。どうしよう。」
とピースは魔法で作った箱をレオンに見せた。
中にはカブトムシが入っていた。
「私の下駄箱の中で飼われていて。世話できないから里親探してたんだけど。」
「里親って。」
ピースの説明にレオンは突っ込んだ。
「ピース。ピース。」
カプーンが、大事そうに何かを持ってきた。
「あ!もしかして。」
ピースが目を輝かせた。
「そう。できたよ。」
とカプーンが持っていたものをレオンの机の上に置いた。
その特徴的な形を見てレオンはそれが何なのかすぐ分かった。
マトリョーシカ人形だ。
更にその人形は、折り紙で作られたものだ。
「後は、厚紙で補強すればオッケーだよ。」
カプーンは得意げに言った。
「ところで、カプーン。今、カブトムシの里親探してるんだけど・・・。」
と、ピースが言いかけた時。
「なになに!?カブトムシ!?」
と言いながらスクルが割り込んできた。
しかし、その時。

ぐしゃっ。

カプーンの作ったマトリョーシカ人形をスクルは潰してしまったのである。
レオンの背筋に寒気が走った。
「・・・、君さぁ。」
カプーンが低い声でスクルを睨みつけた。
そして、胸ぐらをつかんだ。
「もう少し周りを見ようか・・・。」
カプーンはスクルを背負投して、蹴りまくった。
「ごっ、ごっ、ごめんなさーーーーーーーーーーい!!」
スクルの叫び(悲鳴と言ってもいいかもしれない)が教室に響き渡る。
カプーンの本性が皆に知れ渡った日のことだった。