うちの娘達はチャリティーが主催しているオーケストラに所属している。6歳の娘は4歳からチェロ、もう数日で5歳になる娘は3歳半からビオラを習っている。楽器の貸し出しからレッスンまで全て無料。レッスンは週4回なので、連れていくのが大変と言って挫折する親(子供というより)がいたりすることもある。このことを日本に住む母親に話すと、さすがイギリスねと言う。しかしここのチャリティーは’イギリス’というより、設立してくれた若干30歳にも満たないようなルーシーという女性が素晴らしいのだ。Sistema Englandの一つのスクールであるNucleo Projectというのだが、もともとはベネズエラで1975年に発生したEl Sistemaが母体である。ベネズエラの貧しい子供達に無料で音楽を教え、ギャングに入るしかサバイバルの道がなかったような子達に違った生き方を教えてあげるというような趣旨だったんだと思う。なので、そのままのスタイルで今でも週4回のレッスンなのだと思っている。
どういう経緯でルーシーがロンドンに持ってきて始めたのかは不明で、今度聞いてみたいのだが、とにかくここのミュージカルエデュケーションが素晴らしい。始めて一か月でまだ全然弾けなくてもコンサートは皆出席義務があり、それを皆暖かく見守っている。自分も出来るという自信をつけさせてあげるのが、音楽の技術よりも大切なことだから。
イギリスにはチャリティー団体はたくさんあり、それぞれとてもアクティブである。そこへ助けを求める人達もたくさんいる。きっと、母の言うようにさすがイギリスというのも間違ってはいないのかもしれない。人のためになろうと奮起し先導に立つ人がたくさんいたり、恥ずかしがらず助けを求める人たちがいるから、需要と供給が成り立つ。思い立ったら行動、自分の信念を持って、というリーダーシップを取れる人がきっと割合多いのだと思う。
最近の日本はこの先導に立つような人たちが以前より増えてきているように見えてとても頼もしい。平和病から立ち直り、また自分で情報を積極的に入手できるようになってから、活動家やチャリティー団体もパワフルになってきたように見える。次は、周りの目を気にせずに困ったときには助けを求められるように意識改善できればいいのかなと思う。イギリスは移民もたくさんいるし、日本よりは個人主義だ。いろいろな人種国籍が入り混じっているロンドンは特にそうだ。なので、他人と違うとか恥ずかしいとかいう意識は日本よりは少ないのだと思う。それは実はただ自分の頭の中で作り上げた妄想であって、困っているときには助けを求めたほうがいいに決まっている。人は皆助け合って生きていかないと。