この度は、さまざまなシーンのディテールをじっくりと観ることができました。

たとえば、修と裕之と世津の縁側のシーンでは、縁側の向こう、中庭をはさんだ向う側の部屋に人影があることに気づきました。世津のおじい様の影だったと思うのですが・・・。

 

じっくりと観て、やはり柳楽優弥さんの演技がすばらしいと感じました。もちろん有村架純さんも春馬さんも他のキャストもみな申し分なく、良い作品だとますます感じて帰ってきました。

 

帰路に就いて乗ったバスに、同じ映画を観た方たちが乗っていておしゃべりをしていたのが聞えてきました。

 

「私、最後のシーンで世津がなぜ来たのがわからなかった」と話していて、(戦争が終わったから伝えに来たのですよ)と私は心の中でつぶやいていました。私自身も初めて観たときは、おそらくは、という想像はしたものの確信がもてず、後にノベライズ本を読んで確認をしたようなところがあります。

 

「あの二人は結婚したのでしょうね」とも。ノベライズ本では、最後に10年後のシーンの記述があり、世津は教師になっていましたが、まだ結婚してはおらず、その後の二人のことは読者の想像に任せるという終わり方でした。

 

柳楽さんも有村さんも、黒崎監督もそうですが、楽しい現場だったと話されているので、春馬さんにとっても、きっと楽しい現場であったことは疑いがなく、それはそれで本当に良かったと、映画を観終わると毎回、静かな満足感のようなものがひたひたとやってきます。

 

春馬さんは見事に次々ときっちりと仕事をこなして駆け抜けて行ってしまったかのようです。