午後一番の2回目の上映を観ました。

パンフレットのみ求めることができました。

他のグッズはすべて完売していました。

 

『天外者』には、益荒男(ますらお)の三浦春馬がいました。

 

10代の青春映画からのステップアップが映画『東京公園』であったのでは、と先日書きましたが、『天外者』は、その次の、大人の男の魅力を存分に放つ役者へ、確実にステップアップを遂げた作品だと思いました。すなわち、観(み)終えて、この先、もっと彼の作品を観たかった、と切に思ったのでした。

 

田中監督は、座談会(パンフレットに記載されている)で、なぜ五代友厚役は春馬さんだったのかと聞かれ「最初に脚本を読んだ時、五代友厚役には芯があって美しい人がいいなと思ったんです。その頃春馬くんはやっと大人になった感じがしていた。彼なら何か違う五代ができるのはという直感です」と答えていらっしゃいます。

 

本作は、五代友厚は言うに及ばず、他のキャストもきちんとキャラクターが立っていて良い作品になっています。特に私にはミュージシャンだと思っていた西川貴教さんが、よく岩崎弥太郎を演じていたので、いたく感心してしまいました。

 

内容は時間的な制約から端折られている感じがあったことは否めません。歴史的背景を知らないとわかりにくいとところもありました。五代は、薩英戦争で捕虜になり、保釈後探索を受けて刺客に追われているのですが、そのところが私自身、勉強不足でよくわかりませんでした。なぜ追われ、どう再起したかというところが知りたいところでした。

 

そう思っていたら、パンフレットには脚本の小松江里子さんが、故郷である薩摩の桜島を見て、妻の豊子に語るシーンがあったと書かれていました。それは長さの関係でカットされてしまったそうです。

 

その小松さんによると「天外者」には、もう一つ「この世を天から見下ろす目を持つ者」の意味もあるそうです。五代は世界の中の日本を俯瞰して百年先の未来を見ていたと。それは百年とは言わないまでも、常に、先を、5年、10年の将来を見据えていた春馬さんも同じではなかったかと改めて思ったのでした。そのような人が、自分で、ということはありえません。

 

田中監督によると、オファーしてクランクインするまでに2年の時間があった(パンフレットに記載)という話です。彼はその間、五代友厚について学び、殺陣や所作の勉強をしていたといわれます。こういった映画の話は、ずいぶんと事前にオファーがあることを知り、彼にはミュージカル『イリュージョニスト』のその先まで、さまざまな仕事のオファーがすでにあったのではと、チラリと思ったものでした。

 

五代友厚の生き方、遺した言葉に春馬さんが感化されていたとしたならば、1月にあげたインスタグラムの「…国力を高めるために、少しだけ戒める為に憤りだけじゃなく、立ち直る言葉を国民全員で紡ぎ出せないのか」は、目先のことを言っているのでなく、もっと高みから世の中を見ていて、国を、日本を案じていた言葉だったのではと察したのでした。

 

さて五代は身の危険を感じ、追手の刺客から逃亡しています。春馬さんもいま逃げていてくれたならば良いと思ったのですが、私の妄想でしょうか。

パンフレットには素敵な写真が掲載されていました♪