ネットで彼の記事や映像を拾おうとすると、確かに昨年(2019年)で
拾えるものが実に多いので驚きます。
これすなわち、彼がかなりな過密スケジュールをこなしていた、
ということになります。
それゆえに、彼に過密スケジュールを課した事務所がいけなかった、
つまり「過労自殺した」に違いない、ということを言うかたたちが
いまだにいるようです。
私は、彼は、2019年のハードスケジュールをみごとにこなし、
立派に駆け抜けてのけたのだと思っています。
2019年の婦人公論のインタビューでも、仕事への意欲、充実ぶりを
伺わせています。
>年々仕事に対する意気込みが増してきたという実感があります。
>今はとにかくいろんな仕事に果敢に挑戦していきたいですね。
>そう思うようになったのは、年齢を重ねて、先輩の役者さんたちの偉大さや
>仕事への執念を改めて知ることができたから
>お芝居に気持ちを集中できるようになったのは、昨年イギリス留学を
>して、リフレッシュできたのが大きいかもしれません。
>十分休んだので、休みたいとも思わないんですよ。(笑)
ハードスケジュールゆえに痩せた、と言うかたもいらっしゃいますが、
先日も書きましたが、今年3-4月のミュージカル
「ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド〜汚れなき瞳〜」
(4月の公演は 新型コロナウイルス感染拡大の影響により全国ツアー公演が中止 )
のザ・マン役では脱獄囚の役どころでしたから、痩せて頬が落ちていなければ
ならなかったでしょう。
また最後のドラマとなってしまった「カネ恋」の激やせぶりを指摘するかたも
いらっしゃいますが、生前最後となった2020年7月16日収録の「せかほし」
(8月末までに放送された3回分)では、
彼は痩せてはいても、生気みなぎり、明るい良い表情をしていました。
誰でも好きな人と座れば楽しく、明るい表情になるものです。
その逆で、あまり気の合わない人と座れば、気持ちが落ちて、
そういう表情にはなかなかならないでしょう。
「カネ恋」は苦手な演出家たちなどもいて、そこは人間ですから、
生気みなぎる、とはいかなかったのだと思います。
残念ながら、最後のドラマになった「カネ恋」は、
やっつけ仕事であったと想像します。
それゆえ余計に痩せて貧相にさえ見えたのでしょう。
それでも、彼はしっかりと猿渡慶太を演じていたと思います。
2019年、彼は立派にハードスケジュールをこなし駆け抜けた。
彼はとても充実していて、幸いだったと私は思います。
過労自殺??? そんなことを思うことは、彼に失礼というものです。