僕は昔からウルフルズが大好きで、ライブにもたくさん行って、トータス松本の書く歌詞が、歌う歌声が、ライブで目の前のファンだけに向けられたメッセージが、僕の心の支えだったと言っても過言ではありませんでした。ウルフルズが「ええねん」や「サムライソウル」で第二の黄金期を迎えていた頃、僕は前の仕事で来る日も来る日も働き詰めで、自分の生きる意味や存在価値が分からなくなってきた時期と重なっていて、「ええねん」というトータス松本のたった一言がどれだけ僕を励ましてくれたことか。
その「ええねん」は、ウルフルズの元メンバーのジョン・B・チョッパーがまさかのメンバー再加入という出来事の直後に発表された曲で、それはまさにトータス松本がジョン・B・チョッパーのために書き下ろした曲だとファンなら誰もが思いました。僕はそういったトータス松本の度量の大きさに何より惹かれていたし、ジョン・B・チョッパーがいて、4人揃ってこそのウルフルズだと思いました。
それからしばらく、ウルフルズは度々ヒット曲を生み出し、バンド活動において何ら支障もなく、順風満帆のように思えたのですが、トータス松本は突如、ウルフルズの活動休止を発表しました。しかし、その少し前からトータス松本の雑誌インタビューなどでの発言が微妙に変化していて、それは例えば「ドラムのあそこが気に入らない」といったような、メンバーの悪口とも取れる内容が目につきはじめていたのです。
だから、活動休止の発表の時は、驚きとともに、やっぱりかという思いもありました。バンド内での不仲な関係も疑いました。しかし、そこはさすがに僕のうがった見方で、トータス松本の言葉を信じるならば「自分の理想の音楽を追求したいという思いとバンド活動にズレが出てきた」というのが真意なのでしょう。
それでも、トータス松本をずっと信じて、僕にとって神様で、兄貴で、親友だった人のその発言は、僕の心を奈落の底に突き落としました。信じた人に裏切られる思いは、本当に辛いです。僕は、今までトータス松本のことばかり考えていたけれど、残りの3人の行く末も突然心配になったりして、とりわけジョン・B・チョッパーの心中はどのようなものなんだろうと思いました。
それからというもの、僕の中でウルフルズは聴くことのできない音楽となりました。とは言え、気になったのでトータス松本の1stアルバムは買いました。それを聴くと、とても人生に迷いのある人間の、それまでのウルフルズの竹を割ったようなイメージとは真逆の、ドロドロとした、生々しい音楽が揃っているように思いました。当然のことながら、僕はその音楽が気に入りませんでした。
しかし、最近になって思うのです。それでは、自分の音楽を追い求めるというエゴだけのために大切な仲間を捨てたトータス松本の心中はどのようなものだったのかということを。40歳を過ぎ、敢えて自分の可能性を追い求めるためだけにかけがえのない財産を失う覚悟はどれほどのものだったのかということを。
今もまだ、トータス松本になってからの音楽は好きだとは言い切れません。でも、トータス松本という一人の人間が音楽を通じて残そうとしたメッセージを、かつてのファンとして受け止める必要があるのではないかと最近になって思うのです。
僕は、トータス松本ほど正直で、優しい人を知りません。世界は広いので、僕の視野が狭いだけなのですが、僕の視野を狭くさせてしまうほど、トータス松本の存在が僕の中で大きすぎるのです。
みなさんも是非聴き比べてみてください。ジョン・B・チョッパーを迎え入れた直後の「ええねん」と、仲間を捨てた直後の「涙をとどけて」を。
その「ええねん」は、ウルフルズの元メンバーのジョン・B・チョッパーがまさかのメンバー再加入という出来事の直後に発表された曲で、それはまさにトータス松本がジョン・B・チョッパーのために書き下ろした曲だとファンなら誰もが思いました。僕はそういったトータス松本の度量の大きさに何より惹かれていたし、ジョン・B・チョッパーがいて、4人揃ってこそのウルフルズだと思いました。
それからしばらく、ウルフルズは度々ヒット曲を生み出し、バンド活動において何ら支障もなく、順風満帆のように思えたのですが、トータス松本は突如、ウルフルズの活動休止を発表しました。しかし、その少し前からトータス松本の雑誌インタビューなどでの発言が微妙に変化していて、それは例えば「ドラムのあそこが気に入らない」といったような、メンバーの悪口とも取れる内容が目につきはじめていたのです。
だから、活動休止の発表の時は、驚きとともに、やっぱりかという思いもありました。バンド内での不仲な関係も疑いました。しかし、そこはさすがに僕のうがった見方で、トータス松本の言葉を信じるならば「自分の理想の音楽を追求したいという思いとバンド活動にズレが出てきた」というのが真意なのでしょう。
それでも、トータス松本をずっと信じて、僕にとって神様で、兄貴で、親友だった人のその発言は、僕の心を奈落の底に突き落としました。信じた人に裏切られる思いは、本当に辛いです。僕は、今までトータス松本のことばかり考えていたけれど、残りの3人の行く末も突然心配になったりして、とりわけジョン・B・チョッパーの心中はどのようなものなんだろうと思いました。
それからというもの、僕の中でウルフルズは聴くことのできない音楽となりました。とは言え、気になったのでトータス松本の1stアルバムは買いました。それを聴くと、とても人生に迷いのある人間の、それまでのウルフルズの竹を割ったようなイメージとは真逆の、ドロドロとした、生々しい音楽が揃っているように思いました。当然のことながら、僕はその音楽が気に入りませんでした。
しかし、最近になって思うのです。それでは、自分の音楽を追い求めるというエゴだけのために大切な仲間を捨てたトータス松本の心中はどのようなものだったのかということを。40歳を過ぎ、敢えて自分の可能性を追い求めるためだけにかけがえのない財産を失う覚悟はどれほどのものだったのかということを。
今もまだ、トータス松本になってからの音楽は好きだとは言い切れません。でも、トータス松本という一人の人間が音楽を通じて残そうとしたメッセージを、かつてのファンとして受け止める必要があるのではないかと最近になって思うのです。
僕は、トータス松本ほど正直で、優しい人を知りません。世界は広いので、僕の視野が狭いだけなのですが、僕の視野を狭くさせてしまうほど、トータス松本の存在が僕の中で大きすぎるのです。
みなさんも是非聴き比べてみてください。ジョン・B・チョッパーを迎え入れた直後の「ええねん」と、仲間を捨てた直後の「涙をとどけて」を。