最近、病院選びに悩まれているお客様に連続してご乗車いただきました。


みなさんさまざまな理由があり悩まれていると思いますが、ご自身の生命を最優先に考えて選択されることが望ましいのではないかと思います。


がんや重い病気になってしまった場合、いったいどこの病院で受診すれば良いのでしょうか。  


多分、自宅のある近郊のかかりつけのクリニックや総合病院で受診される方が多いように思われますがいかがでしょう。


思っていたより症状が悪かった場合、病院の先生から何処の病院へ行くべきなのか教えてもらうケースも多々あるかと思います。


紹介状を書いてもらうケースです。


よほど先生の意地が悪くない限り親身になって教えてくれるものと信じます。


こういった場合、ひとつだけ病院選択のポイントをお話しさせていただくとしたら、その病気に明るい病院、優れた医師のいる病院を選択することが必須だと思っています。


僕の場合で言うと、肝がん治療の実績が豊富な病院という意味合いです。


この時点で病状がかなり悪化している可能性もありますので、病院選びは慎重に行うべきと思います。


以前にもお話しさせてもらいましたが、医師は優秀な方もいらっしゃれば、そうではない医師も一定数います。


これは僕の経験上、確実な現実です。


残念ながら患者が主治医を決めることは、ほとんどの場合難しいものと思われます。


運に任せるしかないのです。


その運の確率を上げる為に良い病院を選択しなければならないのです。


医学は技術の継承がとても重要だと思いますが、良い病院は技術を持つ医師が、若手の医師に指導して技術を継承させる制度があります。


ですので、良い病院は常に高い技術力があるのです。


病院の情報を得る場合、インターネットの活用も有効的だと思います。


その病状に対しての治療法やその実績、医師の情報等もある程度は知ることが出来ます。


最低限の情報を自身で調べた上で受診されることが望ましいのではないかと思います。


現在通院されていて、医師と信頼関係ができている方は幸運だと思います。


ですが、そうではない患者の方も多いのが現実であり、病院選びに悩んでいるのです。







10年前のお話しになるので情報が古いかもしれませんが、僕が肝がん切除手術を取り行ってもらう際、執刀医からこのようなお話しをいただきました。


また、その際の付属資料を基に一例をお話しさせていただきます。


肝がんは、がんの種類の中でも予後の良くないがんとして認識されています。


ひと昔前、1980年頃までの肝がん切除手術は、約25%(4人にひとり)が亡くなっていました。


肝機能がどのくらいの症状であれば手術して良いのか、またどれくらいの大きさの肝臓を切除して良いのか明確な規定がなかったからです。


規定が明確になったことで、亡くなる患者が著しく減ったということになります。


技術力の進歩ですね。


肝臓は血流がとても豊富な臓器であるため、肝臓の手術では手術中の出血が多くなるリスクが他の臓器よりも高くなります。


したがって、肝臓を大量出血なしに離断していかなければなりません。


そのために考案されたのが、『間欠的肝流入血流遮断術』と言うものでこれは肝門で流入血を15分間遮断し、5分間血流を再開する方法です。


この方法は、何回繰り返しても肝臓は阻血に耐えて肝障害を起こしません。


本法により、肝切除は出血量が激減し、執刀医は肝臓をゆっくりと正確に離断できるようになりました。


さらに技術力が進歩しているのと同時に技術力が継承されて行くのです。


そして、系統的肝切除(血流に沿って区域ごとに肝臓を切除するやり方)は、外側区域切除を除き、日本肝胆膵外科学会では高度な技能を要する高難度肝胆膵外科手術に分類されるようになりました。




肝臓に生じた小さながん細胞は、増殖して大きくなっていく過程周囲の門脈や血管の中に入り、血流にのって末梢にまでとんでいきます。


これが、肝内転移が生じるメカニズムです。


ですから、生存率を上げるためには、門脈の構築に立脚して手術を行い、その領域をしっかり取り去ることが重要になります。



肝臓外科医に必要なことは、まず、画像がみえていることが必須であるということです。

ここで言う“みえている”とは、肝臓内部の腫瘍と血管の関係性が医師の脳内でクリアな画像として構築されているということです。

これができない外科医は、複雑な立体構造を持つ肝臓を扱うべきではないとまでお話しされています。






少し専門的なお話しになりましたが何を言いたかったかというと、ほんの少しの意識を持ち行動に移すことで奇跡への道へと導かれるかもしれないということです。

ありがたいことに信頼できる執刀医と偶然に巡り合い、そして、現在の自分があることに間違いはありません。