ナイトバスはダメだったものの、新潟行きの夜行列車に乗ることができた。
寝台ではないし、硬く狭いシートだけれど、この際わがままは云えないし、座れない人もいるのだから、座れているだけ幸せだ。
バスもまだ払い戻しが効くらしい。
車窓から見える景色は一秒毎に引き剥がされ、僕らにサヨナラを告げる
その非日常が理性と本能の間にぶら下がって、時間から僕らを引き剥がす
キミの眼には何が見える?
影と実体の境界を溶かす重たい闇?
その夜に優しく寄り添う幾つかの光?
僕らはどちらにも触れられない
鉄を軋ませて走る文明に乗って、何時しか僕らの感性を騙してしまったから
哀しくなんかないさ…
キミは…?
フジタ




