前のつづき
。さて、この調査はどうやって導き出されたのだろうか。
それで、詳細に分析した「らしい」のがこちらの記事。
国民を惑わす内定率発表を改めよ - 鈴木和夫 アゴラ - 言論プラットフォーム
「 実際のところ、国の数値を上回る県がないからです。国の数字より、1、2割低い内定率が発表されています。実態としては、各県別の発表から現時点で内定率5割前後ではないでしょうか。ここからの上乗せ数値は、各大学とも必死だと思われるが、かなり意図的な数字になることが懸念されます」
埼玉などが驚くべき低い数値が出ているにもかかわらず、関東が2月集計で82.6%と最大になっているところから見て、埼玉県は対象に入っていない=内定率に高偏差値バイアスがかかっているのは間違いないだろうと思う。
つまり、前回の記事で出た「Fラン大が内定率を下げている」という主張が的外れだという結論になる。
ただ、あくまでもこの統計で、の話なので、低偏差値の大学生が就職に不利なのは変わらず、結局就職率が最低な事実を認識する以外にないということだ。
記事の話に戻るが、この数字もどうなんだろうというのがある。
「大学は62校、短大などその他50校の合計 112です。さらに1万人に満たない調査では、全体像が見えません。就活生は、50万人以上もいるのです。また国発表の大学だけを見ると、国立21 公立3 私立38 の62校の約5000人調査。国公立:私立=1:1.6で計算(国公立4割)で全国の大学の割合、つまり国公立:私立=1:3.7で私立が圧倒的に多い実態とは遠いのです。実際の国公立大学は全体の2割しかありません。つまり、国公立比率が高いた め、実態より内定率は高くなる傾向になると思われます」
この文言には正直首をかしげる。
大学数が少ないというのには素直にうなずけるが、「一万人に満たない調査では、全体像が見えません」とはどういうことだろう。
統計学をならえば、最初にサンプル数のことを教わってもよいはずだ。
例えば世論調査などのサンプリングのときには、会社によっても違うだろうが大体2000人ほどで5%ぐらいまでの誤差で調査できる。
日本の全ての有権者の意見をこの数で調査しているのだ。
むしろ五千人を二万人に増やしても、有意性はほとんど増えない。
だからといってマスコミの世論調査のいい加減さは変わらないが、これは誤差をどう考えるかなのでそこは置いとく。
むしろ重要なのは対象大学の数で、同じ大学で人数だけを増やすより各偏差値や学部別で少人数を散らばせたほうが確実性は増す。
また、「国公立:私立=1:1.6で~私立が圧倒的に多い実態とは遠いのです」とあるが、これは大学数の比率であって、実際のサンプリング比率とは違う。
というか、実際の調査結果が発表されているので、そこから推測の数字を計算してみよう。
といっても方法は簡単。
「国公立の内定率+私立の内定率=全体の内定率」なので、そこから方程式を出すだけ。
(といっても、方程式自体五年以上解いていないのでもうこれで違ってたらすごいお笑いもんだわ)
国公立の調査対象者数をXとして、全体を5000人とすると・・・。あ、なんか理科の水溶液の計算でこんなのあった気がする。
国公立の対象者数は1290人。
私立の対象者数は3710人。
つまり内定率の調査数のうち、大学生5000人のうち25.8%が国公立ということになる。
これは比率で言うと、1:2.88ぐらい。3.7には届かないが、「思っていたよりは少ない」という感想にならないか。
また、この数字を1校あたりの人数に換算すると国公立は53.75人。私立は97.63人。
出てきた数字から考えるに、国公立か私立かの区別はそんなに意味がない。
そもそも最初の調査対象者の定義が現実的ではないということだが、たしかに統計数値の操作がなされて発表されている事実が少しあるということと、現実を見るには適切な指標ではないということ。ここからわかることは「いわゆるエリート達の数字がわかり、これが下がるのは不況の状態であるという判断しかできない」ということ。
ここで、海老原嗣生氏の『「若者はかわいそう」論のウソ」』 で就職氷河期について著者が触れていたことを思い出す。
「不況といっても、実は全体の就職数は一割くらいしか変わっていません。では、なぜ就職氷河期と騒がれるかというと、大手ブランド企業の採用が半減するからです」
この調査の対象者がいわゆる「就職エリート」だった場合、不況期でもそんな有名どころの大学出身者が中小企業を目指すようになるとは思えない。なので、この数字は「順当」であるという感想だ。
最後に、なんかあきれたのでメールで文部科学省に問い合わせをしたときの返信をさらす。
「対象の大学名を教えてください」
「本調査は、国立21校・公立3校・私立38校の合計62校の大学に、一切の個別の情報を公表しないことを条件に御協力いただいているため、どの大学が調査の対象となっているかをお教えすることができません。
御了承いただけますようお願いいたします。」
大学別の内定率を教えろって言ってんじゃないってのに。こういうのって情報公開法でも持ってこれないものなのだろうか。
それで、詳細に分析した「らしい」のがこちらの記事。
国民を惑わす内定率発表を改めよ - 鈴木和夫 アゴラ - 言論プラットフォーム
「 実際のところ、国の数値を上回る県がないからです。国の数字より、1、2割低い内定率が発表されています。実態としては、各県別の発表から現時点で内定率5割前後ではないでしょうか。ここからの上乗せ数値は、各大学とも必死だと思われるが、かなり意図的な数字になることが懸念されます」
埼玉などが驚くべき低い数値が出ているにもかかわらず、関東が2月集計で82.6%と最大になっているところから見て、埼玉県は対象に入っていない=内定率に高偏差値バイアスがかかっているのは間違いないだろうと思う。
つまり、前回の記事で出た「Fラン大が内定率を下げている」という主張が的外れだという結論になる。
ただ、あくまでもこの統計で、の話なので、低偏差値の大学生が就職に不利なのは変わらず、結局就職率が最低な事実を認識する以外にないということだ。
記事の話に戻るが、この数字もどうなんだろうというのがある。
「大学は62校、短大などその他50校の合計 112です。さらに1万人に満たない調査では、全体像が見えません。就活生は、50万人以上もいるのです。また国発表の大学だけを見ると、国立21 公立3 私立38 の62校の約5000人調査。国公立:私立=1:1.6で計算(国公立4割)で全国の大学の割合、つまり国公立:私立=1:3.7で私立が圧倒的に多い実態とは遠いのです。実際の国公立大学は全体の2割しかありません。つまり、国公立比率が高いた め、実態より内定率は高くなる傾向になると思われます」
この文言には正直首をかしげる。
大学数が少ないというのには素直にうなずけるが、「一万人に満たない調査では、全体像が見えません」とはどういうことだろう。
統計学をならえば、最初にサンプル数のことを教わってもよいはずだ。
例えば世論調査などのサンプリングのときには、会社によっても違うだろうが大体2000人ほどで5%ぐらいまでの誤差で調査できる。
日本の全ての有権者の意見をこの数で調査しているのだ。
むしろ五千人を二万人に増やしても、有意性はほとんど増えない。
だからといってマスコミの世論調査のいい加減さは変わらないが、これは誤差をどう考えるかなのでそこは置いとく。
むしろ重要なのは対象大学の数で、同じ大学で人数だけを増やすより各偏差値や学部別で少人数を散らばせたほうが確実性は増す。
また、「国公立:私立=1:1.6で~私立が圧倒的に多い実態とは遠いのです」とあるが、これは大学数の比率であって、実際のサンプリング比率とは違う。
というか、実際の調査結果が発表されているので、そこから推測の数字を計算してみよう。
といっても方法は簡単。
「国公立の内定率+私立の内定率=全体の内定率」なので、そこから方程式を出すだけ。
(といっても、方程式自体五年以上解いていないのでもうこれで違ってたらすごいお笑いもんだわ)
国公立の調査対象者数をXとして、全体を5000人とすると・・・。あ、なんか理科の水溶液の計算でこんなのあった気がする。
国公立の対象者数は1290人。
私立の対象者数は3710人。
つまり内定率の調査数のうち、大学生5000人のうち25.8%が国公立ということになる。
これは比率で言うと、1:2.88ぐらい。3.7には届かないが、「思っていたよりは少ない」という感想にならないか。
また、この数字を1校あたりの人数に換算すると国公立は53.75人。私立は97.63人。
出てきた数字から考えるに、国公立か私立かの区別はそんなに意味がない。
そもそも最初の調査対象者の定義が現実的ではないということだが、たしかに統計数値の操作がなされて発表されている事実が少しあるということと、現実を見るには適切な指標ではないということ。ここからわかることは「いわゆるエリート達の数字がわかり、これが下がるのは不況の状態であるという判断しかできない」ということ。
ここで、海老原嗣生氏の『「若者はかわいそう」論のウソ」』 で就職氷河期について著者が触れていたことを思い出す。
「不況といっても、実は全体の就職数は一割くらいしか変わっていません。では、なぜ就職氷河期と騒がれるかというと、大手ブランド企業の採用が半減するからです」
この調査の対象者がいわゆる「就職エリート」だった場合、不況期でもそんな有名どころの大学出身者が中小企業を目指すようになるとは思えない。なので、この数字は「順当」であるという感想だ。
最後に、なんかあきれたのでメールで文部科学省に問い合わせをしたときの返信をさらす。
「対象の大学名を教えてください」
「本調査は、国立21校・公立3校・私立38校の合計62校の大学に、一切の個別の情報を公表しないことを条件に御協力いただいているため、どの大学が調査の対象となっているかをお教えすることができません。
御了承いただけますようお願いいたします。」
大学別の内定率を教えろって言ってんじゃないってのに。こういうのって情報公開法でも持ってこれないものなのだろうか。