こないだ、漏れのところに捜査―課の刑/事がふたり、突然やってきた。しかも、職場にである。捜査令状や逮捕状もないのに、アポなしでいきなり一市民の職場にずかずかと踏み込む非常識ぶりである。
18年前の平成10年9月にミ鷹市である放火殺人事件があり、漏れはその嫌疑をかけられているという。こいつら、安物の刑事ドラマみたいにちゃちな警察手帳だか身分証だかをちらっと見せ、なんと漏れの指紋やDNAをよこせという。
何たる無神経ぶりか。
あなたの会社のある同僚を訪ねていきなり刑/事、しかも殺人や強盗、強姦といった凶悪強行犯を追うことで著名な捜査―課を名乗られたら、そいつの信用は丸つぶれである。凶悪犯かその容疑者、参考人なのかといったあらぬ目で見られ続け、社内での信用はがた落ちにさせられてしまう。なるほど司法捜査権は持っているのかもしれないが、こういうところに全く配意しない無神経さにはあきれる。
しかもこいつら、司法警察員を名乗りながら遡及効の概念も知らないようだ。平成10年当時は、殺人事件の時効は15年だった。その後法改正はあったにせよ、本来なら件の事件は平成25年9月に時効完成しているはずなのである。憲法でも遡及処罰の禁止はしっかりとうたわれている。だから、この事件はいまごろものこのこ捜査されているのはおかしいし、漏れも指紋やDNAを供出する義務もない。それに、指紋やDNAといった生体情報など、究極の個人情報ではないか。
もっと大事なことがある。前述の殺人事件だが、時効が完成しているが故に漏れは仕事を続けられ、高額の給料を食めるのであるとおもう。この既得権が消滅するのは我慢ならない。職場の就業規則では、どういうわけか業務外でも殺人をやると問答無用の懲戒解雇とあるのもよくわからないが、法的にないものが急にリバイバルしてくるのは理解に苦しむのである。それに、現行の刑法では殺人罪も厳罰過ぎる。
そもそも宇宙船地球号は満員なのだ。人員調節があったところで何が悪いのだ。
あ、そうだ。漏れの生体情報を取ろうとした刑/事、桜田門からはるばるやってきて、時効撤廃かなんかで張り切ってるようだが、漏れを逮捕・起訴するのは絶対不可能なはずだ。やれるもんならやってみろ。国家賠償がものすごいことになるぞ。