友達からある人を紹介された


彼女のとっても仲のいい男友達と
いっしょに遊ぼうと


断る理由もなく
わたしは会う約束をした



名前はジンくんといった


特に普通にいい人だった

それ以外は印象がないんだ

それくらい普通の人だった


帰り道に
「また今度は2人で会いたい」と言われた


「あ、うん。いーですよ」

さらっと連絡先を交換して
店を後にした



中村さんとは難しく感じている
連絡先交換が
いとも簡単に彼とはできた


少し寂しくなった


きっと中村さんには
わたしに対してどうしても
聞きたいとか深めたい気持ちもないんだろう

だって実際には
何も進展もないんだし
相手がその気なら
もっと抑えきれないはずである


私は自分で仮説を立てて
ひどく落ちこんだ


結局、
私はただのお客さん。
わかってるわかってるけど

そんな風にしか
思ってないんだ…


それなのに
私ときたら、誘われてるかも?
とか調子に乗って
ほんとしょーもないやつだ…



深くため息をついて


こんな私を好いてくれるひとは
誰もいないかもしれない…



わたしはこの甘い船に乗ってみようと
思った


わたしにまっすぐに
向かってきてくれるジンくん


彼と向き合ってみよう