─前回のあらすじ─
マコトに取り残され、お互い気まずい雰囲気となってしまったカナトとフジキド・タケシ。沈黙はよくないと、カナトから話しかけようとするが睨まれてしまい、ニンジャのタケシに56されると悟る。
しかし、フジキド・タケシが取った行動は意外にも謝罪だった。その姿勢を見たカナトは彼が悪い人じゃないと確信する。カナトと軽く世間話をしたフジキド・タケシは、ニンジャの如く足早に去っていった。










カナト「待ち合わせ場所、ここで合ってたよな…?」





カナト「マコトはまだ来てないようだ…。しばらく時間潰して気長に待とう…」











パシッ





???「兄ちゃん、命がほしけりゃ抵抗はやめな。そこら中が血まみれになるぜ?」

カナト「…!?」





カナト「あの…これはどういう状況か説明してくださると助かります…」

???「HEYHEY、兄ちゃん!!もっとこうパニックになってくれねぇとやりづらいんだよォ!」

カナト「一応パニックです…」

???「どこがだよ!落ち着いてんじゃねーよ!!」











ザッ

???「髭丸丼、こっちも人質成功だ」

???「くっ…」





???「こ、この女は人質だァ…!と、取り返そうとしたら撃つぞ…!!」

マコト「私がこの程度で捕まるなど…!」

カナト「マコト!?」





???「そこの黒スーツ!名前を言え!」

カナト「え、あぁ…カナトです」

???「カナトか…。私はレンだ…」

カナト(素直に名乗るんだね…)





レン「いいか。今から私の言う事を大人しく聞け。少しでも抵抗する素振りを見せてみろ…この女の命はないと思え!」

マコト「くっ…何という屈辱!」

カナト「は、はい…」





レン「この女のスリーサイズを正確に答えろ。一つでも外したら撃つ!」

マコト「!?」





カナト(…えっ?マコトのスリーサイズ答えるの…?そんな無茶な…)

髭丸丼(フッフッフッフ…)




レン「制限時間は30秒!それまでに答えろ!じゃあいくぞ!」

カナト「ま…まだ心の準備が…」

髭丸丼「いいから早くしろやい」





カナト(マコトのスリーサイズって言われてもなぁ…。嫁のスリーサイズすら分からない僕に答えられるわけないよ…)

マコト「そんなにジロジロ見ないでくれ…!恥ずかしい…!」

髭丸丼(えっちい体してやんぜ…)





カナト(そもそもスリーサイズって、バスト・ウエスト・ヒップの三部分の寸法を言うんだよな…?確かに、全身の体型を表現するためにはこれ以外にも多くの指標が必要だけど、体系的魅力の簡易的な判断には十分だと思う…。なんでレンは僕に、マコトのスリーサイズの回答を要求したんだろうか…)





レン「タイムオーバーだ!答えは出たんだろうな?」

カナト(しまった…!考え事してたらもう30秒経ってた…!)

髭丸丼「どんな回答が飛び出るのかワクワクすっぞ」

マコト「………」





カナト(自信なんてない…。だからこそ、僕は自分の勘を信じる…!)

カナト「マコトのスリーサイズは…」










カナト「バスト99.9・ウエスト55.5・ヒップ88.8…です!!」

マコト「!!?」

レン「!!」

髭丸丼「ひげっ!?」





レン「99.9・55.5・88.8ってなぁ、おい…」

カナト「!!」





レン「峰不○子じゃねーんだよォォォ!!!!!」

カナト「!!?」





カナト(僕に向かってきてるし…!やばいよ、このままじゃ撃たれる…!けれど…)





カナト(僕だって…やられるわけにはいかないんだ!!)

ブゥゥンッ!!

髭丸丼「…!?」











ズドォォンッ!!!!!

髭丸丼「ひげぇぇッ!!」










カナト(や…やってしまったかなぁ…。つい勢いよく投げ飛ばしちゃったよ…)










レン「髭!しっかりしろ!」

髭丸丼「すいません、レンさん…。尾骶骨思いっきり強打しました…」

カナト「ほんとすいません!わざとじゃないんです…!」

マコト「………」





マコト(何だ、さっきのカナトのパワーは…。火事場の馬鹿力ってやつなのか…?)





マコト(カナト…お前まさか…!?)



第5話「気付いた私のこの恋心」ヘ続く。