母は東京大空襲を体験し、その記録を自分史『生命煌めいて』としてまとめ、令和2年に自主出版しました。




世に広く出ていないこの本を、少しずつブログで紹介していきたいと思います。

今日はその「はじめに」の部分を引用します。

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はじめに


終戦の日から長い歳月が経ちました。マンションのバルコニーに立ち、明るく輝くスカイツリーを見ていると、あの日、あの時、母と手をつなぎ、命からがら深川の町を逃げたことが夢のように思えてきます。町内全滅のなか、奇跡的に私と母の二人だけが助かりました。そして結婚をし、娘と息子を授かり、今を生きています。



この間に昭和が終わり、平成の時代が過ぎ、令和となりました。今年は戦後七十五年にあたります。

成人し、家庭をもった子供たちが、八十歳を超えた私が八歳だったときの戦争体験を知りたいと言います。子供らにそう言ってもらえる幸せをかみしめ、亡くなられた多くの方への哀悼の意をこめて、私の東京大空襲の体験を書き記すことにいたしました。



戦争で焼き尽くされる前、たくさんの人が元気に声をかけあう豊かで楽しい下町の暮らしがあったこと、そこから話を始めようと思います。



二〇二〇年(令和二年)三月十日 東京大空襲のあった日に



丸野悦子



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今年は戦後80年
このブログを通して、母の言葉を少しでも多くの方に届け、平和の尊さを感じていただければと思います。