桜はもう満開を過ぎ、全て散り終え早緑を迎えようとししている。
まだ青白い早朝に私は桜の散り行きの過程を毎日細かに観察し、春の過ぎ去りしその小さな変化を密やかに感じている次第である。
そんな春の頃には秒速5センチメートルという作品を思い出す。
この映画にまつわるエピソードが私にはある。
この映画を観るとある男の子を思い出すのだ。歳が一つしたの不思議な男の子だ。関連性はこの子がこの秒速5センチメートルの映画が大好きだったということだけなのだけど。
この子は謎を沢山持ってて、他の誰も持っていないような素敵な感性を持って居ていた。真っ白いキャンバスのような子であった。
悲しい過去も持っていた。
心を開いてくれていた私にも全ては教えてくれなかったけれど。
でも辛い過去なんて誰にでもある。
それを問うつもりもさらさらなかった。
この子はいつか私に僕が大学を卒業したら外国(多分ヨーロッパのどこか)に飛ぶから一緒に着いてきて欲しいと私に言った。
当時私が18歳で彼は17歳だった。
約束はできなかった。
そのままお互い進む方向に向かって進んだ。
これは別に恋路の話でも何でも無い。
感覚的には目に見えない透明で澄んだ物語。青白く兎に角透き通っている。
それと私達は文がとても好きだった。お互い小説なんかも良く読んでいた。暫く長い間は文通を交わしていた。素敵な関係だったと思う。
今も何処かで生きていて欲しいなと強く思っている。私にとってそんな儚い存在だ。
いつも彼は透明である。
また手紙を書くよ。
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