5月16日は、松尾芭蕉が奥の細道へと旅立った日(元禄2年=1689年)です。

 

漂白の思い癒しがたく、そぞろ神が心に乗り移ってきたのを拒まずに、46歳の芭蕉は旅立ちました。芭蕉は清貧のわび住いを求めて、東京深川に最初の草庵を結んでいます。1680年の冬のことです。唐時代に活躍した李白・杜甫のさすらう詩心が、芭蕉の俳諧精神に面影を落としていました。江戸俳壇の中で地歩を築いた芭蕉でしたが、道祖神が手招きする俳諧精神への新たな旅立ちへの希求は、晩年に至っても燃え尽きることはなかったのです。

 

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