古代中国では身を修めることが重んじられ、子どもへの教育は、人格を磨き、訓練することが重要視されていました。それに関連する逸話や物語はたくさん伝えられており、現代人にとって学ぶ価値の高い内容のものも残っています。その中で、心に残る逸話をここに紹介します。
 

  暗闇の中の天使

 

天気予報で間もなく台風が上陸すると伝えられると、小さな港町に住む人々は急にあわただしくなります。忙しくしている母親のそばで、小さな娘が一人遊びをしていました。

 

「まったく、台風はいやね・・・」と母親は片づけながら、ため息をつきます。

 

「私は、台風が好きよ」と娘は小さな口を開きます。

 

「どうして台風が好きなの?」

 

「前に、台風が来たら停電になったでしょう。その時、私がロウソクを持ってお家の中をあちこち歩いている姿が天使のようだとお母さんが言ってくれたから」と娘は無邪気に答えます。

 

その話を聞いた母親は思わず手もとの仕事を止め、小さい娘を抱きあげて頬にキスをしました。そして、「あなたはいつまでも私の天使よ」と優しく微笑んだのです。

 

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