(続き)

  「ニセの幽霊」が総督を騙した

 

ある夜、総督(総司令官)である唐執玉が灯火の前に1人でいたとき、突然かすかな泣き声が聞こえてきました。その泣き声は、だんだん窓に近づいてくるようです。唐執玉は、侍女を呼び「誰が泣いているのか。ちょっと見てきなさい」と指示しました。

 

侍女は外に出た途端、絶叫して倒れてしまいました。唐執玉が急いで玄関へ行ってみると、血まみれの幽霊が石段の下にひざまずいています。驚いた唐執玉に向かって、幽霊はこう言いました。


「私を殺した犯人は(乙)です。ところが県の裁判官は、(甲)を犯人だと誤審してしまいました。私の恨みは晴れていません。これでは死んでも死にきれないのです」

 

【続き】

 

 

【関連記事】