南シナ海関係国の連携

 

中国が8月に新地図を公開するとインド・南シナ海関係国などが反発した。中国はこれまで九段線として一方的に領土・領海を主張したが新地図では領土・領海が拡大され台湾東部の尖閣諸島まで含まれた十段線になった。

 

日本も中国に反発するが一蹴されてしまう。だが中国の傲慢な態度は十段線で関係国の領土・領海を侵害し中国への反発を強めることになった。

 

中国は台湾への軍事的圧力を続けており台湾侵攻を見据えた空軍力の強化を意図的に見せ付けている。中国は経済の悪化で台湾侵攻のリスクが低下したと思われるが、台湾参謀本部情報部の黃文啓氏は中国の国防費は増加の一途をたどっていると主張。これは中国が台湾侵攻を諦めていない証だが中国の敵が増えすぎて対応が困難な状況になっている。

 

  なぜ台湾侵攻をしなかった?

 

過去の中国は台湾侵攻の準備作戦として金門戦役(1949)・金門砲戦(1958)の前例が挙げられるが以後は台湾への軍事的恫喝で終わっている。

 

当時の中国は海上交通路を使った海外貿易の比重が少なく台湾侵攻をしても中国経済には打撃を与えない。だが中国が海上交通路を使った海外貿易が増加すると台湾侵攻を実行すると台湾軍が西側の台湾海峡、南側のバシー海峡、東部の黄海で中国向けの海上交通路を遮断することは明らか。だから中国は台湾に中国経済の心臓を握られているから台湾侵攻ができなかった。

 

そのため中国は人民解放軍の近代化をしたが準備と軍事演習で台湾を脅すことに費やしている。さらに言えば2019年に公表された中国の石油備蓄は80日分と推測されており、人民解放軍が台湾侵攻を行えば80日以内に勝利しなければ中国が敗北することになる。

 

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上岡龍次

戦争学研究家、1971年3月19日生まれ。愛媛県出身。九州東海大学大学院卒(情報工学専攻修士)。軍事評論家である元陸将補の松村劭(つとむ)氏に師事。これ以後、日本では珍しい戦争学の研究家となる。

 

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