その昔、先祖代々裕福な家があった。その家の主人は、年を取ってから男の子をもうけた。主人は品格を持つ人になって欲しいと願い、子供にを意味する「浄本(じょうほん)」と名付けた。浄本は器量がよく、賢く見えたため皆に可愛がられた。

 

 ある日、遠い高山の上で、一人の士が慧眼(けいがん)で世の中を見まわしていた。すると、浄本の家の上空が、瑞祥(ずいしょう、めでたいことが起こる前兆)を意味する紫金色の光に覆われている。彼は、急いでそこに駆けつけた。

 

 主人は道士の訪問を喜び、手厚くもてなした。浄本は道士を見ると、無邪気に笑った。道士は浄本を見ると、将来、浄本が自分に弟子入りすることが分かり、主人に次のように告げた。「浄本は生まれつき愚かで劣っているので、17歳までしか生きられません。しかし、私について『道』を学べば、彼の運命を変えることができるでしょう」。それを聞いた主人は、怒って道士を追い出した。道士は離れる際、「やむを得ない時には必ず浄本に『道』を学ばせてください」と、何度も主人に言った。

 

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