昔、釈迦の時代の中インドに波斯匿(はしのく)王が治世にあたっていた舎衛という国がありました。ある日、波斯匿王は自ら釈迦牟尼世尊の住居に来て、五體投地の礼をしながら、長々と世尊の足元に跪き、言いました。「弟子はこの上なく誠実な心で、都市の町でお布施のご飯を用意して仏様に供えます。国民が世尊を知るようになり、仏様の慈悲を浴びて、妖怪妖蠱から遠ざかり、五戒を守り、悪事をやめて、国の患いを取り除くことを願います」

 

世尊は言いました。「あなたは王として国民を率いて正道を歩む賢明な選択をした。あなたの行いは来世の福報をなし遂げるのだ」

波斯匿王は自らお布施のご飯を用意し、宴会の準備を行い、自ら街に出て世尊と衆僧を迎えました。世尊が席につくと波斯匿王は手を洗う水まで用意して世尊に捧げました。食事が終わると世尊は舎衛国の王と国民のために説法をしました。大勢の人々は佛陀の教えを静かに拝聴していて、その場面はこの上なく荘厳で盛大でした。

 

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