「坂井の第一着に、趙は間髪をいれず白2と打ちつけた。黒3に対してもすぐ白4。黒の少考、ノータイムの白、という応酬が黒9まで続いた」

 

趙とは、囲碁の25世本因坊・趙治勲で、2008年の坂井秀至七段との対局の様子を綴った某紙の観戦記である。長考で知られる趙が、まずは「間髪をいれず」に小気味よく打ち返してのスタートであったという。

 

ところで、「間髪(かんぱつ)とは一体どんな「髪」なのか。長い間不思議に思っていたが、正しくは「間(かん)、髪(はつ)を容(い)れず」だとわかり、いたく納得したものである。その語源となった故事は次の通り。

 

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