夏野菜の代表格として人気のトマト。今では年中お店に並び、料理のレシピも盛りだくさん。サラダのほか、ピザやパスタ、スープや炒めものなど加熱した料理にも利用されています。「トマト鍋の素」の市販品や「トマトラーメン」の専門店まで存在するほど日本ではお馴染になりましたが、日本で食されるようになったのはそんなに昔ではないのです。

 

 まず、トマトという呼び名の語源をご存知ですか。「膨らむ果実」を意味する「トマトゥル」からきています。トマトゥルとは元来「ホオズキ」を指し、形がよく似たトマトも同じ名前で呼ばれたようです。この「トマト」という呼び名ですが、面白いことに世界共通ではありません。イタリアでは「ポモドーロ(黄金のリンゴ)」、フランスでは「ポム・ダムール(愛のリンゴ)」、イギリスでは「ラブ・アップル(愛のリンゴ)」と、様々で、昔からヨーロッパでは値打ちの高い果物や野菜を「リンゴ」と呼ぶ習慣があったのです。

 

 トマトの故郷は、南米ペルーを中心としたアンデス高原の太平洋側の地域という説がもっとも有力です。トマトの原種はいずれも現在のミニトマトに近い形で、たくさんの小さな実をつけたチェリータイプです。中でも糖度が高く、熟すと真っ赤になる野生のトマトは人間や鳥、獣が好んで食べていたそうです。その後メキシコで食用として栽培されるようになりました。 

 

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