画家本人より自画像をうまく描ける人はいません。

 

ジャック=ルイ・ダヴィッドはフランス歴史の激動期に活躍した、新古典主義の画家であり、ナポレオンの首席画家でもありました。ダヴィッドは大規模な歴史画を得意とするだけでなく、肖像画もずば抜けていて、人物の特徴や品格を精確に把握し、それを絵画に表現することができます。

 

周知のように、芸術家たちは自分を表現したがります。ダヴィッドも例外ではありません。何枚も自画像を描きましたが、しかし、一般の画家と異なり、自分の顔を影に溶け込ませているのです。

 

なぜでしょうか?

 

良く観察してみると、ダヴィッドの自画像の光の当て方は、1794年のものを除いて、全て左からで、右側の顔は暗く、中には側面の姿しかない自画像もありました。このことから、ダヴィッドが意図的に顔の半分を隠しているのが分かります。

 

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