前回は、子どもの啓蒙教育に『三字経』『百家姓』『千字文』がよく使われることを紹介しました。子どもたちはまた、幼いころから漢字を勉強します。漢字と言えば、実は、中国だけでなく、周辺の国家にも大きな影響を与えているのです。

 

韓国やベトナムでは、漢字を全く使わない独自の言語を使うようになりましたが、近年、漢字の復興が提唱されるようになったのです。

 

韓国やベトナムに行ったことのある方は、多くの名勝地や歴史的遺跡では漢字がよく見られることに気づくでしょう。

 

ご存じのように、昔、韓国と朝鮮は同じ国でした。第二次世界大戦後の朝鮮戦争で南北に分かれたのです。朝鮮半島の文明は、ある中国の政治家・箕子(前1126年?—前1082年?)が開いたと言われています。箕子は帝辛(紂王)の叔父で、殷王朝が滅ぼされた後、その該博さに驚嘆した周王朝の武王は、朝鮮半島を分け与えました。箕子は殷の遺民を率いて朝鮮半島へ赴き、礼儀や農事・養蚕・機織の技術を広め、民を教化し箕子朝鮮を建国したといいます。

 

【続き】

 

 

 

【関連記事】