いつものように私は、娘を迎えに幼稚園に行った。

 

 若い女性の担任の先生が、少しためらってから、私が恥ずかしくなるようなことを話し出した。娘は、お遊戯では他の子よりテンポが遅れ、また食事の時はお腹が痛くなるまで食べて、それでもまだご飯のおかわりを求めてくる。皆が一緒に遊んでいる時も、娘は一人だけ離れてポツンとしているという。

 

 娘の発達が他の子供より遅れていることを、私は知っている。しかし、そのことを他人から言われるのはとても嫌だった。

 

 どうやら風邪を引いたらしい。頭がくらくらした状態で娘を連れて家に帰ってくると、力が抜け、そのままベッドに倒れ込んでしまった。そのあと、娘がドアを押して入ってきたのは気づいていた。私に何かを教えてほしいと言っているらしい。私は目を閉じたまま、娘に返事もしなかった。

 

 しばらくすると、ドアがまた甲高い音をたてた。心身ともに疲れきっていた私はついに爆発した。怒りにまかせ、娘を指差しながら、「出ていけ。おまえの顔なんか見たくもない」と怒鳴ってしまったのだ。

 

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