中国医学は長い歴史を持ち、古代中国の最も奥深い学問の一つである。 古来、多くの名医が修行の道に精通し、中には山中で修行者に出会い、神秘的な法術や驚異的な治癒技術を教わり、医学の道を歩み始めた人もいる。 

 

これらの医師の中には、脈診で患者の運勢や生死をも予知する不思議な医術、「太素脈の術」に長けた者が多くおり、 明の時代にも後を絶たなかった。彼らは儒学を学んだ後、医学を学び、他人の病状の予知ができた。

 

張汝霖は山西省の出身で、若いころ儒学を学び、その後医術を学び、次第にこの地方で名を知られるようになった。 また、太素脈にも精通し、脈診後、死亡日を予言できた。 彼は自分の損得を一切考えず、常に患者の治療に全力を尽くした。

 

張汝霖の病気診断方法は独特で、しかも常に正確だった。ある和尚が夏ばてで苦しんでいたところ、張汝霖に出会い、井戸水で頭を洗っているのを見て、「一ヶ月後に頭が割れるほどに痛むだろう。今、薬を飲んでも遅くはないぞ」と言った。 和尚は聞き入れず、1ヵ月後、本当に頭が痛くなった。 その後、痛みはますます激しく耐えられず、再び張汝霖のもとを訪ねた。 「もう遅い、薬を飲んでももう遅い。今年を乗り切れば、来年には元気になるだろう。 でも、その頃には、歯がダメになるのではないだろうか」と張汝霖が言った。 翌年、和尚の頭痛はなくなったが、歯は全部抜けてしまったという。

 

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