最高レベルのサイバーセキュリティを誇る米軍で機密文書が漏洩するとは誰が予測し得たのだろうか。Z世代の若者による気軽な投稿が安全保障政策に深刻な影響を与えたことは、インターネット社会における秘密保持の難しさを如実に表している。

情報戦の観点から言えば、スパイとなる意思が本人になくても、スパイ行為に加担したことに変わりはない。SNSを利用した巧みなスパイ事件を、軍事ジャーナリストの鍛冶俊樹氏が解説する。

⭐️ポイント

・なぜ空軍1等兵が機密にアクセスできたのか
・黒幕の「ドンバスの少女」
・漏洩は国際政治にも影響か

 

 

  事件の動機と背景

 

日本のサイバーセキュリティの脆弱であることを指摘し、「日米関係の最大のネック」とまで言い切った米国で機密情報流出事件が起きた。FBIは4月13日、ジャック・テシュイラ(21歳、男)を逮捕した。

彼はマサチューセッツ州の州軍所属の軍人で階級は1等空兵と報道されているが、この翻訳は適切ではない…………

 

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