雨意迫り来ぬ睡蓮の池暗く(高浜虚子

 

明治35年(1902)9月19日、東京根岸の子規庵で、近代短歌と俳句の革新に生涯を捧げた正岡子規が永眠する。満35歳になる直前だった。

 

短い人生だったが、その濃密さにおいては、120年後の日本人である私たちも彼の作品を愛誦するほどであるから、「悔いはなかった」と代弁して良いのではないかと思う。

 

子規は21歳で初めての喀血をして以来、人生の後半をほとんど病に侵されていた。特に最後の3年間は、結核菌が脊椎を侵すカリエスで寝たきりの状態だった。そんな重病の子規を師と慕って集まった根岸短歌会の門人のなかに、高浜虚子と河東碧梧桐がいた。

 

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