日本語の「キク(菊)」の語源には諸説あるが、漢音からきたジュクあるいはククがもとになっているらしい。

 

興味深いのは漢字のほうで、米を握ったおにぎりのように、花びらが集まって球状をなすことから「菊」の字が成立したという。そう言えば、球体の遊具を鞠(まり)と呼ぶ。「まり」は、革(かわ)でできた円(まる)いものの意である。

 

野菊の愛らしさも捨てがたいが、キクは園芸種となってから、人間との新たな関係が生まれた植物である。鎌倉時代の後鳥羽院が身辺のものにこのデザインを取り入れたことから、日本のロイヤルファミリーの象徴にもなった。

 

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