3. 中国共産党式の「超限戦」 

 

 

中国共産党のグローバルな野望には道徳的制限がなく、法律を順守する意志もない。『共産党についての九つの論評』(九評共産党)で論じたように、中国共産党の成長は徐々に歴史上の、内外の邪悪を少しずつ蓄積していく過程であり、その中で中国独自の九大遺伝子「邪、騙、煽、闘、奪、痞、間(スパイ工作)、滅、控(コントロール)」が完成した。【1】 中国共産党のグローバル化はこれらの特徴が顕著であり、巧妙さと邪悪さは更に凄まじくなっている。中国共産党の「超限戦」はこの邪悪な遺伝子の体現であり、同党が野望を達成する上で重要な要素である。

 

「超限戦」という概念は、常に中国共産党の軍拡のテーマである。1999年、2名の中国空軍大佐がこの概念を用いて軍事論を展開した。超限戦には名称の通り、次のような特徴がある。「(これは)制限も制約もない戦争である…強制あるいは非強制的な、軍事的あるいは非軍事的な、殺人的あるいは非殺人的な方法を含む、あらゆる手段で敵に自国の利益を受容させる…手段は包括的であり、情報は偏在し、どこでも戦場になる…すべての政治的、歴史的、文化的、道徳的な制約を超える」【2】

 

超限戦とは、「すべての武器と技術が意のままに利用される。つまり、戦争の世界と非戦争の世界、また軍事と非軍事の境界線が崩れることを意味する」。この戦争は、国家間の活動分野の領域にまで及び、金融、貿易、メディア、国際法、宇宙空間を含む全てが戦場となり得る。戦いの武器は、ハッキング、テロ、生物兵器、環境戦争、核戦争、電子戦、薬物売買、情報戦、密輸、心理戦やイデオロギー戦、また制裁などである。【3】

 

『超限戦』の著者2人は、戦争の方向性として「戦争の一般化」は避けられず、また全ての分野が軍事化しなければならないと説く。軍服を着用しない多数の非軍人が超限戦のカギであり、目に見えない分野における戦争の準備を政府に提案している。【4】

 

一般的に、専門分野で活躍する人々は仕事場を「戦場」に例えたりするが、中国共産党のそれは文字通りの意味である。常に闘争の最中にある同党にとっては全てが戦場であり、全員が戦闘員である。すべての対立は生死をかけた闘争であり、些細な問題が誇張され、原則かイデオロギーかの争点となる。中国共産党の目的のために、国全体があたかも戦争であるかのように動員されるのである。

 

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