序文
 

 

20世紀初頭、ソビエトの共産主義が暴力的に起こしたロシア革命は、共産邪霊がさらなる舞台をお膳立てするための布石だった。舞台の主役は、もちろん中国共産党である。

 

1921年、共産主義インターナショナル(コミンテルン)極東支部が中国共産党を設立した。その後数十年間、欧米の民主陣営と対立し、冷戦という世界の表舞台で主役を演じたのはソビエトだった。欧米諸国はソ連と東欧衛星国を共産主義陣営とみなし、敵として警戒した。一方、中国共産党はその間に政権樹立と成長の時間を十分に与えられた。

 

1991年、ソビエト連邦が崩壊し、世界の表舞台には中国共産党のみが残った。中国共産党は正面衝突を避ける全く新しいアプローチを取ることにした。自国の市場経済を開放して諸外国を惹きつける一方、専制政治を死守するという作戦である。そのため、多くの欧米の専門家や政治家、ビジネスマンたちは、中国共産党を共産党とは認識せず、むしろその変種くらいにしか見ていなかった。

 

しかし、彼らの認識は事実とかけ離れていた。中国共産党は共産主義の特徴である虚偽、悪意、闘争というイデオロギーを頂点に据え、数千年間人類が蓄積してきた最も有毒で狡猾な、あらゆる政治的陰謀を繰り広げた。中国共産党は人々を利益で誘惑し、権力で支配し、嘘で騙した。その悪魔的な技は、すでに頂点を極めた。

 

中国には五千年の歴史に育まれた壮麗な伝統文化がある。人々は先人の国土を敬い、世界はその遺産を称賛した。一方、中国共産党はこの中国に対する人々の憧れを利用した。中国共産党は政権を掌握した後、「中国」と「中国共産党」という言葉の概念を混乱させた。中国共産党は、中国の「和平崛起」(平和的な台頭のこと)を掲げ、真の動機を国際社会から隠ぺいすることに成功した。

 

しかし、中国共産党の本性が変わることはない。共産党の経済戦略とは、単に「市場経済」から栄養を吸収し、自身の社会主義体制を強化することである。中国共産党の真の目的は中国の繁栄と成功ではなく、その支配を安定させて野望を実現することである。【1】 実際、中国共産党は基本的な倫理や普遍的価値観を全く無視している。

 

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