序文

 

地球は人間に食物と資源を与え、発展できる生活環境を提供している。地球は人類が幾千年にもわたって繁栄することを許容してきた。

 

人類は自然環境と相互に作用しあう。伝統的な中国文化および西洋文化はどちらも自然と人間の良好な共生を重んじていた。古代中国の学者・董仲舒(とうちゅうじょ)は、『春秋繁露』の中で、「地上の全ては人類のために創造された」と述べた。【1】

 

つまり、創造主は、人類に生活する環境を与え、地上のもの全てが人類によって使用されることを目的としていた。同時に、人々は天地の理に則った生活を送らなければならない。すべては節度を持って用い、自分たちが住む自然環境を積極的に維持し、保護する必要がある。

 

西洋の伝統文化は、創造主が人類に自然環境を与え、自分たちでそれを管理するよう望んだと伝える。従って、人間は自然を尊び、上手に利用しなければならない。一方、伝統的な中国文化によれば、万物にはバランスがあり、また損害を避けるための緊急事態もある。儒教の書『中庸』は次のように説いている。「万物は並び育われて相害わず、道は並び行われて互いに相悖らず」(萬物並育而不相害,道並行而不相悖)。自然は対立や混乱を招かず、独自に均衡を保ちながら道理にそむくことなく営みを続ける。【2】

 

古代中国人は環境保護を重視していた。古書によると、古代の帝・禹の頃、「春の三カ月間、森が成長できるように、人々は森へ斧を持っていかなかった。夏の三カ月間、魚たちが繁殖できるように、人々は川に網を張らなかった」という。【3】

 

【続き】