目次 

 

序文

1. 共産主義国家の大規模な洗脳

2. 欧米メディアに浸透する共産主義

3. 左寄りのメディア

4. リベラル派と進歩主義に乗っ取られたメディア

5. 映画産業―反伝統の先駆け

6. テレビ―各家庭の腐敗

7. メディア―全面戦争の主戦場

結論:責任あるメディアをめざす

参考文献

 

 序文

 

今日、メディアは絶大な影響力を持ち、絶えず拡大している。そのパワフルな浸透力で、メディアは地元のニュースを世界中の人々に届けることができる。新聞や雑誌から始まったメディアはラジオ、映画、テレビに進化し、今ではソーシャルメディアやインターネットによるオーディオ・ビジュアル(AV)通信が盛んである。

 

われわれが最新ニュースとその分析記事を入手する手段はメディアである。情報の渦の中で、人々がどの情報を入手し、それをどのように解釈するかについては、メディアが圧倒的な影響力を持つ。メディアは特定の話題に対する印象付けを操作することもできるし、心理的なプライム効果(先行刺激によって人間の行動が無意識のうちに影響を受ける現象)を引き起こすことも可能である。

 

政治家を始めとする社会のエリート層にとって、メディアは大衆の関心を集め、結集を促す役割を果たす。メディアが取り上げる話題は、人々が注目する深刻な社会問題となる。一方、ニュース報道が取り上げない問題は軽視され、忘れ去られる。

 

建国の父の一人、第3代アメリカ大統領トーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson)は、メディアの役割について、「新聞なしの政府と政府なしの新聞、いずれかを選択しろと問われれば、私は少しも躊躇せずに後者を望むだろう」と言った。【1】

 

社会の声を代表する機関として、メディアは道徳の守護者にもなれるし、悪魔の道具にもなり得る。世界の主要な事件を公平に、正確に、適時に伝えるのがメディアの義務である。メディアは正義を支持し、不正を非難し、善を推進する責任がある。メディアの使命は少数の人々、企業、政党の利益を超えたものでなければならない。

 

欧米のニュース業界において、メディアは真実と社会の価値観を保障する守護者である。ジャーナリストたちは、その専門性と自己犠牲の精神から、社会的に誇り高い「第四階級」の身分として認められ、尊敬されている。

 

名前にちなんだ賞で知られる新聞出版者のジョーゼフ・ピューリツァー(Joseph Pulitzer)は言った。「われわれの共和国とその新聞は、共に上昇し、共に下降する。正義と勇気を持った訓練された知識人による、優秀で、無欲で、公共心のある新聞であれば、公徳を維持できる。それがない人気取り政府は、偽物で嘲笑の的だ。皮肉で、金銭目当ての、扇動的な新聞は、その中身と同様の卑しい人間を造りだす。共和国の将来を形成していくのは、次世代のジャーナリストたちの手にかかっている」【2】

しかし、道徳が甚だしく低下した世の中で、メディアが権力や金銭の誘惑に屈せず、徳を守り続けるのは非常に難しいだろう。共産主義国家において、メディアは国家の所有物である。メディアは政権の拡声器として大衆を洗脳し、テロや殺人をする共産党の共犯者となる。

 

欧米メディアも共産主義に汚染されている。欧米メディアは共産主義の代理人となって、反伝統、反道徳を推進し、悪魔的な流行を促している。欧米メディアは嘘と憎悪のプロパガンダで道徳の退廃に拍車をかけている。今日、真実を報道し、社会道徳と良心を守るメディアは少ない。われわれはメディアの惨状に気づき、メディアが果たすべき責任を取り戻さなければならない。

 

【続き】