目次 

 

序文

1. 欧米の大学に潜む共産邪霊
a. 大きく左傾化する大学
b. 伝統的な学問を共産主義イデオロギーで変形する
c. 新しい学問を開拓し、イデオロギーを浸透させる
d. 急進的な左翼思想の推進
e. アメリカの偉大な伝統文化を否定する
f. 西洋文明の古典に挑戦する
g. 教科書とリベラル・アーツ(人文科学)を占拠する
h. 大学での「再教育」:洗脳と道徳の破壊

参考文献

 

序文 

 

教育は個人の幸福と成長を促し、社会や国家の安定を維持するうえで不可欠な要素である。歴史上の偉大な文明は常に教育を重視していた。

 

教育の目的は、人類の道徳水準を維持し、神が与えた文化を保持することである。教育が人々に知識や技術を伝え、社会生活を送る手段を授ける。

 

古代、教育の高い人物は天を敬い、神を信じ、徳を養う努力を惜しまなかった。彼らは伝統文化の知識に富み、自身が従事する仕事に精通していた。仕事に専心し、他人には親切に対応した。彼らは社会の大黒柱であり、国家のエリートであると同時に、文明の保護者でもあった。彼らのずば抜けて優れた人格が神に認められ、恵みを受けたのである。

 

共産邪霊は人類を壊滅させるため、人間と神の絆を断ち切ろうとした。従って、伝統文化を堕落させることは、邪霊にとって欠かせない計画だった。共産主義は異なる戦略を用いて東洋と西洋の教育を破壊した。

 

伝統文化が深く根付いた東側の国々において、嘘やでっち上げで人々を騙すことは難しい。そのため、東側では伝統文化を担うエリートたちを肉体的に抹消し、次世代への文化の継承を途絶えさせる必要があった。その後、残った大衆は絶え間ないプロパガンダにさらされた。

 

一方、西洋文化を誇る欧米は歴史やルーツが比較的に単純であり、共産主義が教育を転覆し、こっそりと社会を汚染させるのに適した土壌があった。実際、中国の若者に比べて、欧米の若者はより深刻に堕落している。

 

2016年の米大統領選では、多くの若者たちが大変なショックを受けた。メディアによる保守派候補の悪口、選挙前に行われた誤解を招く世論調査などから、大学生たちにとって保守派候補の当選は予想外だった。

 

ドナルド・トランプが当選すると、全米の大学でおかしな現象が起こった。一部の学生は選挙戦による恐怖、疲労、感情のトラウマを訴え、授業の取り消しや試験の延期を要求した。学生たちのストレスや不安を癒すため、一部の有名大学は粘土や積み木、色塗り、シャボン玉遊びを含むさまざまなイベントを企画した。ある大学では、学生たちに癒しの対象として猫や犬をペットとして貸し出した。また、多くの大学がカウンセラーを設置し、「選挙後の回復」や「選挙後の資源と支援」などを立ち上げた。【1】

 

通常の民主主義が、自然災害やテロリストよりも彼らに恐怖を与えたのである。アメリカの教育制度が全くの失敗であることが、ここに露呈した。成熟し、合理的であるはずの大学生が、社会の変化や災難に直面し、寛大さの欠如と幼稚さをさらけ出したのである。

 

アメリカの教育制度が完全に破壊されたことは、過去数十年間にこの国で起きた最も悲惨な現象の一つである。これは、共産主義による欧米社会への浸透が成功したことを物語る。

 

この章はアメリカに焦点を当て、自由社会の教育が共産主義によってどのように破壊されたのかを検証する。読者は、同じ論理から、それぞれの国の教育制度がどの程度破壊されたのかを分析できるだろう。

 

共産主義によるアメリカの教育制度への浸透は、少なくとも次の5つの分野に現れている。

 

若者の間に共産主義のイデオロギーを拡散する 共産主義イデオロギーが欧米の伝統的な学問に徐々に浸透し、共産主義に由来する新しい科学が既存の学問に取って代わった。文学、歴史、哲学、社会科学、人類学、法学、メディアなどすべてが種々雑多なマルクス理論で充満している。ポリティカル・コレクトネスが大学での自由な思想を検閲するようになった。

 

若者を伝統文化から遠ざける 伝統文化、正統な思想、歴史の真実、古典文学を中傷し、さまざまな学問分野から排除する。

 

幼稚園や小学校の頃から学業の基準を下げる 指導基準が加速的に下げられ、次世代の若者たちの国語や算数の能力が極端に下がってしまった。彼らの知識は制限され、問題点を見る能力が失われた。これらの学生たちが生命や社会に関する重要な問題について、理論的に、率直な態度で議論することは難しく、ましてや共産主義のでっち上げを見抜くなどなおさらである。

 

歪んだ概念を若者たちに植えつける これらの子どもたちが成長すると、歪んだ概念が強固になり、それを認識したり、正したりすることは、ほぼ不可能となる。

 

学生たちをわがまま、貪欲、放縦にさせる 子どもたちを伝統や権威に反抗するよう仕向け、彼らのエゴと権利意識を増大させ、理解する能力を奪う。このような若者は異なる意見に対する寛大さに欠け、精神的な成長も見られない。

 

【つづく】