電気自動車の開発や通信衛星事業などで世界的に有名な天才エンジニアであり実業家でもあるイーロン・マスク氏が今年5月8日、ツイッターで日本の人口問題に触れたことが話題になった。


「日本の人口減少は著しく、このままでは日本がなくなる。それは世界にとって大きな損失になるだろう」
※Tweet原文はこちら

 

筆者はマスク氏のツイートをフォローしているので、彼が投稿した直後に原文を読んだ。このツイートには深い意味があると感じた。というのも、少子化は日本に限ったことではなく、先進国すべてで起こっているからだ。20世紀後半は、世界的に物質面で豊かになったように見えた。しかし、地球環境は破壊され、人々の心も荒廃し、しかも途上国の貧困の問題さえ解決できなかった。いま人類は、まさに滅びの道を歩んでいるように見える。

興味深いのは、マスク氏が投稿して数日が経ってから、日本の知識人が騒ぎ始めたことだ。しかもその内容は、あたかも著名人が日本消滅の危機を面白がって煽っているかのような伝え方だった。しかし、これは的外れな解釈だろう。重要なのは、マスク氏が「世界にとって大きな損失になる」と結んだ最後の言葉にある、と筆者は受け取った。