古代中国の四大美人と言えば、西施(せいし)、貂蝉(ちょうせん)楊貴妃(ようきひ)、王 昭君(おう しょうくん)。権力者を翻弄する程の美貌を兼ね備えた彼女たちは皆、波乱万丈の人生を送りました。今回は、誠実で高潔だったという王昭君の物語をご紹介します。

 

およそ2000年前、前漢の元帝の時代、王昭君は宮中に仕えていた。歴代の皇帝たちと同じく、元帝にも後宮があり、数千人の美しい女性たちが控えていた。そのため、元帝に会いまみえるのは、ほんの僅かの女性だった。

 

宮廷には似顔絵師がおり、元帝は彼が描いた後宮の女性たちの絵を見ては、誰と会うかを決めていた。女性たちは元帝に会うチャンスを得るために、こぞって似顔絵師に賄賂を送り、自分をより美しく描くよう要求した。似顔絵師はこれにより、女性たちから賄賂を取り立てることを常とした。