○吉田さんが、99歳の高齢で亡くなって、この22日でちょうど10年になる。残された仕事は、ますますその存在感を増しているようだ。
○日本に、クラシック評論を確立しただけでなく、その伸びやかな文章は、セザンヌの伝記や印象派の画家についてのエセイ、シューマンの評論集の翻訳、演劇家ベルトルト・ブレヒトの思い出、相撲評論にまで及ぶ。
○丸谷才一さんは、吉田さんを「アリストテレスいらいの、大批評家」と評した。さすがにこれは、大げさだと思うけど、言いたいことはわかる。
○ドイツ人の奥さまが翻訳した、吉田さんのエセイのドイツ語訳を読んだことがあるけど、愛情あふれるいい訳だった。
○いま、うちには残念ながら吉田さんの本は一冊もない。そのかわり、吉田さんのラジオ放送を集めたCDが四枚、ある。吉田さんの日本語、素晴らしいんですよね。
○青年期に、中原中也と付き合っていた吉田さん。だいぶ、迷惑をかけられたらしい。
○テレビ番組にでられたとき、映った自宅の書棚にはポーランド語の字引きがあった。そんなものまで勉強してるのか、と畏敬の念をあらたにしたものだった。
○吉田秀和全集、今こそ読むべし。
エラスムス拝
