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小説「夢」あとがき&ごあいさつ

おはようからこんばんはまで、どうも皆様お元気ですか。私は(ry


こちらは、オリジナル小説「夢」のあとがきと、初めましての挨拶となっております。

ネタバレしてるから気をつけてね!


さて、ちょっとイキナリ小説のっけた事に後悔を感じてます。

前置きとかなしに、イキナリ小説乗っかってたら意味不明ですよね。

まぁキニシナイ。


今日は、この前掲載した小説の後書きというか、解説というかそんなものをしたいと思います。


この話、ちょっとモヤモヤが残るという意見が多かったかもしれません。

でもそこは狙ったというか、そういうふうに書いたつもりなんです。


私が考えるに、この小説は読み方によって何パターンかに分かれると思うんですよ。

そこを私が考えたいくつかのパターンで紹介したいと思います。


まず一つ目。

主人公は、お母さんの体内で夢を見ていた、という場合ですね。

つまり胎児の夢です。

ここでちょっとイかした奇跡なんぞ起きて、実は死ぬはずだった母親の身代わりになって、自分が死んだ。

夢の中で愛里を助けなかった場合は、胎児が生きて、母親は死ぬことになっていたことでしょう。

まぁそんな感じです。


二つ目。

最後に出てくる、男と女がそのまま未来の愛里と匠だった場合です。

つまり、奇跡なんてものは起きず、この二人は最高の友人と、自分達の赤子を失うという悲劇を経験したわけです。

赤子が身代わりになった、というセリフは昔の友人を思い出してのことでしょう。

昔の友人であった主人公は、もしかしたら夢で将来生まれてくるはずであったものと感応でもしたんじゃないでしょうか。

この場合の赤子は、本当に事故で命を失ってしまったことになります。

まぁそんな感じ。


三つ目。

そもそも、最後に出てきたキャラクターは全くの関係がない人たちである。

これは、現実的すぎますね。軌跡なんてものは全く起きるわけがない、そう言っていることになります。

主人公は死に、匠と愛里も普通に生きていく。

赤子の話は別のどこかで起こったことであって、ただ、彼らにとって悲劇であっただけ。

まぁ、現実なんてこんなものかもしれません。


四つ目。

最後の赤子の話はパラレルワールドの話だった場合です。

よくいう話では、世界は大きな木の枝のように分岐点があって、平行してその世界が存在している、という話です。

つまり、主人公は愛里を救うことによって、別次元の平行世界で起こるはずだった悲劇を回避させた、という感じです。

ちょっとこれはムリがあるか・・・?まぁよくわからん!今、朝の4時だしね!


と、いう感じに、様々な読み方を含めて書いたつもりです。

だから、ちょっと消化できない部分もあったかもしれません。

こんなわけわからないことして、私ってば身の程知らずですね ^p^


つまり、好きなように解釈してください。ということです。

私はこの話に完全な説明はつけません。




と、まぁそんな感じだよっ!

今日、大阪にライブ見に行ってそうとう疲れてるんだ!

足が鉄筋コンクリートに入ってる鉄筋みたいだよ!

意味不明だね!


あぁ、なんかサダさんの喋り方がうつる・・・・。

気に入ってるのかな・・・・・。

まぁいいや。



それでは、小説を読んでくれた皆々様。

どうもありがとうございます。

もしよかったら感想なんかもらえると嬉しいと思います。

でも、物書きの基本も知らない私が、イキナリ、ノリで書いた処女作なので、


こっぱずかしいったらありゃしない。


感想とかなくても、読んでもらえるだけで感謝感激です。

それでは皆様、次回作があれば、またお会いしましょう。


朝5時に寝ようと思ったら寝れなくて、なんだかボンヤリと考えてたら


次のプロット思いつきました。


完成するかはわかりませんが、どうぞ完成したら読んでやってくださいな。

小説 「夢」 の続き


    Ⅶ


 この街はまぁまぁ都会なので、放課後といってもまだ街には人が多い。会社帰りの人、買い物に来ているご婦人、若者などが歩いている姿が見える。今は夕方が一番過ごしやすい季節なので、夕方の風が気持ちいい。俺達は一度家に帰り、私服に着替えて再度集まっていた。

 「んじゃぁ駅前のあそこでいいよなー?」匠が俺たちに言う。

 「ん、いいんじゃねぇか?」

 「割引券あるよーん」愛里がポケットをゴソゴソとやって、1枚の券を出して得意そうにする。

 「俺らも持ってるよ・・・・こないだ一緒にもらっただろうが・・・」一応つっこんでおいた。

 俺達がこんな他愛のない話をしながら歩いていると、1人の女性が近づいてきた。髪は綺麗な黒髪のロング。細身のジャケットに細身のジーンズを履き、帽子を被っている。右手には紙の挟んであるバインダーとボールペンらしきもの、左手には紙袋を持っていた。パッと見、年齢はわからない。きっと、長い髪と目深に被った帽子のせいだろう。

 「すみませぇん。今アンケートをしてもらってるんですけどぉ」

 その女は愛里に話しかけてきた。よくいる街頭アンケートだろう。話し方が間延びしていて少し聞き取りづらい。明らかに作った声だ。まぁアンケートしているヤツらは皆そんなもんだけど。

 「今ウチの新商品のデザインでぇ、アンケートをしてましてぇ、この中で良いと思うデザイン3つにマルをつけてもらってぇ、あとちょっと下のアンケートに答えていただいてもいいですかぁ?」

 そんなもの無視すればいいのに、ちょうど立ち止まっていたし、ここまで話されてしまっては愛里も応じるしかなかったのだろう。

 これが、俺達の、運命を変えることになった。

 いや、そもそも運命という言葉を使うのならば、これはあらかじめ決まっていたことなのかもしれない。あそこで立ち止まっていたのも、昨日宿題をもらい遊ぶ日がずれてしまったのも、ここにこの女が現れたのも、全ては必然。因果。膨大な数式を解いた結果が、これ。

 「ありがとうございましたぁ」女は言う。

 どうやらアンケートが終わったようだ。女は紙袋の中から包装された箱を取り出すと、愛里に手渡した。

 「これ、アンケートに答えてくれた方に渡してる、ウチのオリジナルグッズですぅ」

 「あ、ありがとうございます」愛里は素直に受け取る。

 そして女は髪を翻し、歩き去った。

 髪を翻し。

 髪を・・・・翻し。

 その時、全てを理解した。

 何度か見た夢が、鮮明になって頭をよぎる。

 くそったれが・・・・・・

 翻した髪の下の、女の首筋には、ニュースで見た、あのマークが、どす黒く、光っていた。

 きっと、ここで何もしなければ、俺は、助かるのだろう。

 けど、夢を見てしまった。

 夢を、思い出してしまった。

 ただの夢だと思うには

 あまりにも現実的で

 どちらかといえば

 こちらの方が夢なんじゃないかと思うほどに

 あの夢が俺の意識を埋め尽くした。

 それに、例え夢を思い出していなかったとしても、俺は行動に移しているだろう。

 死にたくはない。

 やり残した事も、沢山、ある。

 郷田の宿題だって、まだ残ってる。

 カラオケにも、行きたかった。

 愛里と匠と一緒に、まだまだ遊べると、思っていた。

 愛里と一緒に、ずっといられると、思っていた。

 死にたくは、ない。

 自己犠牲が素晴らしいなんて思っちゃいない。

 そんなつもりもない。

 ただ単に

 俺は

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・愛里には、死んで欲しくないんだ。

 「愛里ぃぃぃぃ!」

 叫びながら俺は右手で箱を掴み

 左手で愛里と匠を薙ぎ払った。

 ・・・・二人は思ったよりも、軽かった。


    Ⅷ


 私と匠は思い切り地面に倒れた。

 とても痛かった。

 ずいぶん弾き飛ばされたようで、あちこち擦り傷ができたみたい。

 そんなことを一瞬で思った。

 ――――パンッ!

 大きな音が、まるで風船を割ったかのような、あまりにも軽い音が、響き渡った。

 人は、自分が見たこともないものは、見てもなかなか理解できないと、知った。

 最初、綺麗だと、思った。

 何かが沢山舞っていて、綺麗だな、と、思った。

 赤い、赤い。

 とっても綺麗な、まるで真っ赤な桜の花びらが散っているような。

 その中に、ひと際大きなモノが、舞っていた。

 あれはなんだろう。

 木の・・・棒?

 枝・・・・?

・・・・・・・違う。

 あれは・・・・・

 アレは・・・・!

 アレは、アレは、アレはアレはアレはアレはアレはアレはアレはアレはアレはアレはアレはアレはアレはアレはアレはアレはアレはアレはアレはアレはアレはアレはアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレ!!!!!!!!!!!!!!!!

 「いやあああああああああああああああああああああああああああ!」

 叫んでいた。喉が、裂けそうなほど。

 アレは、腕だった。

 腕が、宙を舞っていた。

 右腕だった。

 血も、舞っていた。

 沢山沢山沢山沢山。

 信じられなかった。

 信じたく、なかった。

 綺麗だったカズの手。

 指が長くて、細くて

 私のお気に入りだった、手。

 それが、すでに手なのかも判別できないほどにグチャグチャになって。

 地面に落ちた。

 嫌な音がした。

 少し前に、私たちがいた場所には・・・・・・右腕の無いカズが、血溜まりの中、倒れている。

 私は、そのまま、意識を失った。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


    Ⅸ


 目を開けると、白い天井が見えた。

 「あれ・・・ここは・・・・?」

 頭が霞んでいるような気分、気持ちが悪い。

 「・・・・・起きたか・・・?」

 隣には匠がいた。

 「ここはどこ?」


 「カズは一緒じゃないの・・・・?」


 私が聞くと、匠は目を見開き、俯いてしまった。

 なんでこんな反応するんだろう。何かあったんだろうか。

 ―――――――何か――――――――

 「あ・・・・・・・!」

 頭の中にあの光景が蘇る。

 そんな・・・・!そんな・・・・!

 「カズは!?カズはどうなったの!?」

 必死に、無事であると願いながら匠に掴みかかる。

 匠は目をつぶり、ふとすれば聞き逃してしまいそうな小さな声で、言った。

 「カズは・・・・・」


 「死んだよ」


 あぁ・・・・・!

 「私の・・・・せいだ・・・。私が・・・殺したんだ・・・・!」

 全身に走る悪寒と、自己嫌悪と、吐き気と。

 息が苦しくなる、呼吸が制御できない。

 「なんで・・・・なんで庇ったりなんか・・・!私が死ねばよかったんだ・・・!私が・・・・!なんで庇ったりなんかしたのよ・・・!もうダメよ・・・!もうダメなんだ・・・!カズだけが死ぬなんて・・・許されない・・・!もう・・・私も・・・!」

 「ざけんなっ!」

 匠が、今まで聞いたこともないような声で怒鳴った。私はあまりの事に、一瞬正気を取り戻す。

 「お前は・・・・!お前は、カズがどんなことを思って俺たちの代わりに死んだと思ってるんだ!ちゃんと考えろ!カズはお前には、生きてほしかったんだよ!ここでお前が後を追ってみろ!俺はカズになんて言えばいいんだ!?俺はこれから、2つも十字架背負って生きなきゃならねぇのかよ!?俺たちは生きなきゃならねぇんだよ!カズが、カズのことが、本当に大切だったなら!」

「――――――――」


 あれから数日がたった。

 私の気持ちも少し整理がついてきた。 

 そうなんだ。私はカズに命を助けられた。すごく、ものすごく悲しいけれど、これからの日常に戻らないわけにはいかない。日常に戻らない理由を、カズのせいにしてはならない。それに・・・あの女の人。絶対に許せない。許せるわけがないけれど。カズはきっと復讐なんて望んではいないだろう。復讐なんて所詮、残された者のためのもの。死んだ者のために復讐なんて馬鹿げてるし、死んだ者のためなんて、ただのエゴだ。私は日常に戻ろう。大きな傷を負ってしまったけれど、傷は治りきることはないだろうけれど。カズのことは忘れない。絶対に忘れない。これからも私達と一緒にいようね。・・・あの時、庇ってくれたこと、ちょっと恨むよ・・・。でも、すっごく嬉しかった。ありがとう。


 私はカズのことが、大好きだよ。


    エピローグ


 「母子共に、危険な状態です」

 「そんな!どうにかしてください!妻を!子供を!助けてください!」

 「最善の手は尽くしています。ですが・・・心の準備は、しておいてください」

 「そんな・・・・!」

 「二人とも助かる可能性は、極端に低いです。特に母体がかなり危険です。お子さんは救えても・・・・・いや、それすらも希望的観測です」

 病院の産婦人科前の椅子。ひとりの男が、この世の全てに絶望したような顔で、座っている。

 「なんてことだ・・・・!どうか・・・どうか・・・!二人とも助かってくれ・・・!」

 男はひとり言を呟き続けている。

 長い長い、永遠にも思える時間が過ぎた。

 そして扉から、医師が現れた。

 「・・・・・!先生!ごうだ先生!」

 出てきた医師に男は尋ねる。

 「終わりました。」医師は言う。

 「助かったんですか!どうなんですか!」

 男は掴みかからんばかりの勢いで問いただすも、医師は困惑した様子で言う。

 「それが・・・・・私共にも、よくわからないのですが・・・」

 医師の態度に、男は苛立ちをつのらせる。

 「助かったのか!どうなんです!?」


 「奥様は命に別状はありません。本当に、さっきまでの衰弱はなんだったのか理解できないほどに。問題ありません。しかし・・・・赤ちゃんのほうは、助かりませんでした」


 男は理解しがたい顔で尋ねる。

 「・・・・助かるなら・・・・子供の方だったのでは・・・・?」

 医師も困惑の表情をしている。現状が上手く説明できないようだ。

 「そうなんです。そのはずでした・・・。しかし、実際は、母体は健康そのものに戻り、子供は、産まれた時にはすでに・・・・・・死んでいました」

 「死因は・・・・・?」男は聞く。

 「死因は・・・・・・・・どうなんでしょう、出血多量か、または未熟児だったのか・・・。とにかく・・・」医師は少し躊躇したように言葉をためる。そして、言った。


 「赤子の右腕が、ありませんでした」


 医師は続けて言う。

 「右腕の細胞がグチャグチャだったんですよ。その他にも身体にも幾つか・・・怪我・・・というのでしょうか、とにかく傷を負っていました。これらのことが原因で、きっと死んでしまったのだとは思うのですが・・・」

 「・・・・・そう・・・・ですか・・・・」男はうな垂れてしまった。

 「とにかく、母体が無事だったのは奇跡としか言いようがありません」

 「はは・・・そうですね・・・・」男は擦れた笑いを漏らす。

 「まるで・・・・赤子が身代わりになったみたいですね・・・」

 そう言った男の目の下にはホクロがあり、妻である女の首には、子供の頃負った怪我の痕があった。


タイトルは「夢」とでもしとこうかな


     プロローグ


 なんだろうこの音

 すごく心地がいい

 何かに包まれているような

 どこかで聞いたような音

 砂嵐・・・・?

 定期的な別の音も聞こえる

 五月蝿いけれど、なぜか気にならない

 安らぐ・・・・・・・・・―――――


    


 平日の昼間、午後一番の授業。それは、窓から入る日差しと、昼ご飯を食べたことによる満腹感で、寝るには最高のシチュエーションだ。

 「・・・・おーい、野間ー?・・・野間一晃ー?・・・」

 「おい!起きろって!」

 なにか音が聞こえるが、それが声だと判断することできない。

 「そうかそうか、俺の授業はそんなにつまらないか?」

 「うわ・・・こっち来た・・・俺知らね・・・」

 すこし雑音があるけれど、ものすごく気持ちがいい、最高の気分だ。こんな日は授業なんてほったらかして昼寝に限る。あぁ気持ちがいい、生きてるって最高。

 「ふが・・・・!がっ!」

 急な呼吸困難と、鼻への違和感に最高の気分はどこかへ行ってしまった。

 「なんだなんだ・・・!」

 鼻に触れてみると、棒状の物が2本。引き抜いてみた。

 「チョー・・・・・ク・・・?」

 意味が分からない。

 「そうだ、チョークだ。どこから見てもチョークだ。それがトンカツに見えるか?」

 ・・・・今喋りかけてきたのが、ウチの高校の数学教師である郷田だ。皆は影で「タケシ」と呼んでいる。・・・うん。トンカツの意味はわからないけど、状況は理解できてきた。非常にまずいようだ。

 「俺の授業で寝るとはいい度胸してるなぁ・・・」タケシは、けっして寝起きには見たくない顔をこちらに近づけながら言った。

 これは・・・最悪だ。よりにもよって、コイツの授業で夢の世界に旅立ってしまうなんて。そもそも、寝ている生徒の鼻の穴にチョークを突っ込む時点で、コイツはまともではない。まったく自分の不甲斐無さに腹を立てたいところだが、今はそんな場合ではないようだ。

 「いえ・・・あの・・・別に寝てたわけでは・・・」

 一応の弁解を試みる。しかしこれがまずかったらしい。

 「そうか、そうだよなぁ。じゃぁ黒板の問題を解いてもらおうかな。今日の授業を聞いていれば、簡単すぎる問題だからなぁ。」

 ・・・・・解けるわけねぇだろ。俺はエスパーじゃねぇし、天才でもない。今日の数学なんて1秒くらいしか記憶に残っちゃいない。初めて見る式だ。もちろん寝ていたからだけど。

 「もし解けなかったらぁ・・・・3日後までに提出の、特別な宿題を出してあげようかな☆」

 何言ってんだコイツ・・・・。☆じゃねぇよ。

 「・・・・すみません、寝てました。解けません。」正直に答えることにした。このような場合、正直に言えば許してもらえる可能性がある。

 「よし、じゃぁ放課後おれの所に来い。たっぷり用意してやるからな」

 正直になっても、そうそう状況は変わらないものなんだなぁ・・・


    


 放課後になった。我がクラスの教室は、教壇に向かって左が窓、右が廊下となっている。俺の席は一番窓側の、後ろから二番目だ。まだ生徒は多くが残っていて、教室は賑わっている。

 「だーかーら、起こしてやったのに、お前起きねーんだもんよ」

 授業中に起こしてくれようとしたらしい、このノリは軽いが性格は良いヤツなのが森田匠だ。俺の席の右隣に、コイツの席はある。なかなかの美形だが、喋らない方がもっと良いと、いつも俺は思っている。目の下のホクロが、チャームポイントだそうだ。

 「私だって、後ろからシャーペンでチクチクやってたんだからねー?」

 シャープペンシルで、人の後頭部を突き刺すという恐ろしい行動をしてくれるコイツは宮部愛里。少し頭のネジは緩いが、なかなか可愛い。実は俺の彼女である。ちょっと自慢。愛里の首には、子供の頃怪我をしたらしい痣がある。本人は気にしているが、大きなものでもない。愛里が思っているほど目立ってはいない。まぁ、ある意味こちらもチャームポイントだ。

 「宿題・・・か。まいったな」

 今日に限って、なぜあんなに眠かったのだろうか。しかも変な夢を見たような気がする。まだ頭がハッキリせず、今も夢のような心地で現実感がない。しかし、なぜあの夢はあれほどまでに心地が良かったのか、思い出そうとしても思い出せない。きっと、悪い夢ではなかったと思うけど。・・・郷田の宿題は悪い夢であってほしかったが。

 「今日どうする?遊びに行くのやめる?」愛里は少し残念そうに言った。

 俺たちは時々、学校が終わった後に街に出かけて遊ぶ。今日はその日だった。しかし、確かに今はそんなことをしている場合ではないような気がする。郷田のやろう・・・。

 「あぁーぁ、カズのせいで今日は無しかよー。」

 匠に思い切り厭味っぽく言われた。ちなみにカズは俺の愛称だ。

 「・・・・明日にしようぜ。宿題は、今日中に本気で終わらせっから」

 「ったくしょうがねーなー。じゃぁ明日のカラオケは奢りだな!」

 「え?ホントに?カズ、奢ってくれるの?やったね!大好き!」

 ・・・・・コイツら。俺が金無いの知っているくせに・・・。しかし、こちらに非があるので強くは言えないため、しぶしぶ承諾する。

 「わーったよ。奢ればいいんだろ奢れば。だから明日な。今日は帰ろうぜ」

 「へいへーい」「うん」

 とりあえず今日は修羅場になるだろう。今から郷田の所に行って、宿題をもらわなければならない。その量しだいだよな・・・と考える。今日中に果たして終わるだろうか。終わらなければ、明日も遊んだ後に宿題だな・・・。

 「俺は今から郷田んとこ行くけど、お前らどうする?」

 「俺っちは先に帰らせてもらうぜー」

 「私は外で待ってるねー」

 さて、そろそろ郷田の所へ行こうかという時、教室の誰かが話しているが耳に入ってくる。

 「なぁ、ニュース見たか?爆弾のやつ」

 「あぁ、見た見た。この辺なんだろ?」

 「なんか変なカルト集団らしいじゃん?」

 ・・・そのニュースは俺も見た。最近この辺りで、二件の爆弾事件が起こっているらしい。爆弾の規模は大きくはないらしいが、人ひとりを殺傷するには十分らしく、大きな問題になっている。被害者に共通点はなく、無差別だと考えられている。この二件の爆弾事件は、犯人が違う。逮捕された二件の犯人の話を聞いてみたところ、なにかのカルト集団らしい。詳しくは話さないが、まだ仲間がいるとも言っている。犯人グループには一様に、首の所に同じマークがあるらしい。付近の住民には気をつけてもらいたい、みたいな事をニュースキャスターが言っていた。

 「穏やかじゃないよな・・・」

 「そうだな、皆がカズみたいに真っ昼間からグースカ寝てるようなら、穏やかなのにな」

 コイツしつこいな。別に寝たくて寝ていたわけじゃない。いや、寝たかったわけだけど。

 「ホント、命をなんだと思ってるんだろうねー」愛里が難しそうな顔をしている。

 して俺たちは別れ、俺は郷田の所に行った。


    


 この人達は誰だろう、夫婦だろうか。

 すごく幸せそうだ。

 夫婦の日常生活の風景らしい。

 これはきっと夢だろう。

 女の人は妊娠しているみたいだ。

 お腹が張っている。

 夢の中の、少なくともではないようだ。

 きっとこれからも幸せなんだろうな。

 あぁ、自分も、こんな生活をしたい。

 だが、できるだろうか。

 こんな俺でも、できるのだろうか。

 ・・・・あれ?

 途中から女の人が不鮮明になった。

 なぜだろう、曖昧だ。

 なんだか気持ちが悪い。

 場面が変わる。

 子供が生まれたらしい。

 しかし・・・・子供も不鮮明だ。

 なんだろう、幸せなはずなの、なんだか・・・・。


   


 朝になった。目覚めはイマイチだった。変な夢を見た気がする。昨夜、郷田の宿題をやりすぎたのが原因だろうか。郷田の宿題は思った以上に量が多く、結局、昨夜の内には終わらせることができなかった。

 「郷田のヤロウ・・・いつか絶対鼻にチョーク突っ込んでやる・・・」

 一つの決心をして、ベッドから起きる。郷田の鼻チョーク計画を頭の隅で考えながらベッド横の窓から外を見ると、外は雲ひとつない快晴だった。

 「これは、今日も授業中に夢の世界へご招待されるな・・・」

 この暖かい時期、窓際はどうも不利だと感じる。冬にストーブのすぐそばの席の人よりかは、幾分かはマシであるとは思うけど。

 「冬のストーブのそばは、ありえないよな」

 独り言を呟きつつ、学校へ行く準備を始める。暖かい時期にストーブを思い出すなんて、どうかしているな、と思う。残りの宿題も持っていこうか。暇な時にやれるかもしれない。しかし、この青い空、照りつける太陽はそれを許してくれるだろうか。・・・・・・・たぶん、無理。

 「はぁ・・・まだ頭がぼうっとしてるな」

 なぜか最近、頭が働かない。起きていてもあまり現実感がない気がする。前はこんなことなかったと思うんだが、どうだろうか、あまり思い出せない。

 「っと、こんな時間か。」

 今まで考えていたことを頭の隅に追いやり、学校へ行く準備を進めた。


   


 1時間目の授業が終わり、今は2時間目の国語の時間だ。今日の授業は、なんだかやる気が出ない。まぁいつもの事だけど。昨日の話しが頭をよぎる。愛里が言っていた、命をなんだと思っているのか、という言葉。・・・・命を奪う、というのはどういう事だろうか。人は、他の動植物の命を搾取しなければ生きていくことができない。それは、そうしなければ生きていけないから、命を奪うしかない。

 ならば、生きていくためには人を殺してしまうことも許されるのだろうか・・・・・・・・?

 ・・・・ある科学者にとっては、邪魔な障害が一つの問題点であったとしよう。それを解決するためには、実験などをして解決すればいい。ならば、ある人にとって邪魔な障害が、ある人間だった場合、それを取り除くためにその人を殺すだろう。この二つは当事者にとっては同じことなのではないだろうか・・・・・・・・?ならば、障害が人間だった者はどうすればいいのか・・・・?

 「・・・・はぁ、わかんねーよな、そんなこと・・・」小さく独り言を言う。

 いくらこんな事を考えようと、人の命を奪うことは許される事ではない。いや、許せない。人が人を殺さない理由。それは法に決められているからではない。いくら法で定めようとも、人を殺すことなど、いとも簡単だ。一分もかからない。ではなぜ、人は人を殺さないのか。それはきっと、自分が殺されたくないからだろう。法を作った人は、人を殺してはいけないと言っているのではなく、自分は殺されたくないと言っていたんじゃないだろうか。だから、自分は死んでもいいと考えているヤツは、平気で人を殺す。そんなヤツらには、法の効力など全く及ばない。

 「どうしたもんかねぇ・・・」言いながら窓の外を見ると、青い空。

 そんなヤツらでも、たった一人でいい、一人でも死んでほしくない存在がいたならば・・・。きっとソイツは人を殺さないだろう。正直なことを言うと、俺は死ぬなら死ぬで、別にかまわないと思っている。進んで死にたくはないが、別にかまわない。ただ、俺は死んでもかまわないと考えているが、俺は絶対に人は殺さない。なぜなら、生きていて欲しい人いる。殺すことを肯定すれば、大切な人が殺されても、文句は言えない。だから俺は人を殺さない。殺してはならない。

 「こらー、野間ー、生きてるかー?」ふと、耳に音が戻る。

 いつの間にか、教師に名前を呼ばれていたらしい。しまったしまった、また宿題でも出されたらたまったものではない。

 立ち上がり、教師の質問に答えた。


   


 「しゃー!今日は遊ぶぞぉう!」

 終礼が終わると同時に、横から匠がぶつかってくる。俺がか弱い乙女だったら、骨の一本や二本は折れているかもしれない。よかったな、傷害罪で訴えられなくて。

 「奢りだからって、調子に乗るなよ」俺は釘を刺しておく。

 「まぁまぁー、楽しく行きましょうよー」後ろから愛里が言う。

 奢られる側はそれでいいだろうがな・・・。コイツらは調子に乗らせるとロクな事にならない。

 「頼むから、店内でメニュー頼みまくるのだけはやめてくれ」

 「わーってるってぇ」「もちろんだよね」二人は満面の笑みで言う。

 あまり信用できない・・・。今のコイツらの笑顔は、俺の財布から英世さん及び、一葉さんをさらって行く作戦を練っているようにしか見えない。諭吉さんは安心してください。ここは死守します。先に逃げてください。あれ?逃げられちゃダメだろ。

 ・・・・ちなみに、俺と愛里は付き合っているが、くっ付けてくれたキューピッド的な存在が匠である。他の人間から見れば、この三人のバランスは悪いかもしれない。やはり片方が付き合っているのならば、片方も付き合っている、というのが定番だ。つまり四人がバランスがいい。しかし、愛里も俺もそんな事は気にしていないし、匠もそんな事は気にしちゃいないだろう。愛里と匠が一緒に遊んでいたとしても、俺はなんとも思わない。逆に、この三人から匠がいなくなるのはいやだ。愛里も匠も、そんな事は望んではいないだろう。今はこれでいいのだ。この状態が一番落ち着く。

 「あ、そういえばカズさんよぅ。しゅ・く・だ・い・は終わったかなぁーん?」

 匠、空気読んでくれ。今から俺のテンションを下げてどうするつもりですか。お前が歌ってるときに合いの手入れてやらないぞ・・・。

 「そんなに量多くなかったし、終わってるに決まってるじゃん、ねぇ?カズ?」愛里は全くの悪気なしに言う。

 「・・・おう、あんなもん俺にとっちゃぁ赤子の手を捻るようなもんだったぜ・・・。」

 ここまで言われてまだ残ってると言うのも癪なので、なげやりに返しておいた。

 「んじゃまぁ行きますか!」匠が元気良く言う。

 「おー!」愛里も元気良く言う。

 「・・・・おー・・・」

 とりあえず合わせておいた。

                                               後半へ続く