中洲の女(人)
当時の私は30歳、独身。博多駅、中洲共に10分位の距離。
住吉4丁目、住吉神社の前のビルに営業所を開設していました。
ある日、事務所にピンクの封筒が届きました。
明けてみると、行きつけのクラブのホステスからでした。
内容はラブレターでした。美辞麗句 好男子 片思いなど
もてない男、川崎はすっかりその気になりました。
3日後クラブを訪問し、お手紙のお礼を申し上げました。
30分後お客が入ってきました。
「お手紙有難う」楽しく読みました。
ラブレターもどきを、沢山のお客様に配布したようです。
プライドを傷つけられた、私は内心怒りました。
人の心をもてあそんで、実にけしからん。
直ぐに店を出ました。例のホステスが外まで、追っかけて来ました。
怒っている私は振り向きません。足早に逃げます。
何か背広のポケットに、入れたようです。
中洲川沿いを歩いていた。大型ネオンが川沿いに立ち並び
川面にもネオンが浮かんでいる。まるで不夜城の感じだ。
流石に、九州一の繁華街、中洲です。
ポケットに手を入れると、.女性用の腕時計が在りました。
お詫びの気持ちで、ポケットに入れたのでしょう。
お詫びを受け入れる気持ちは全然ありません。
腕時計をムンズと掴み。中洲川に放り込みました。
ポチヤと音を立てて沈んで行きました。
腕時計の行方は誰も知らない。