ここ3ヶ月程度、某コンサルタントの仕事で、箕面市の瀧道(箕面駅前から箕面大滝までの延長2.7kmの遊歩道)の一の橋付近に位置する橋本亭の調査を行っている。橋本亭は明治43年に建てられた和風木造3階建ての旅館建築であり、箕面市都市景観条例に基づく都市景観形成建築物に指定されている。後継者
難等から休業していたが、平成16年6月から、TMO箕面わいわい株式会社が箕面市による「既成市街地 活性化緊急特別対策」の「地域商業にぎわい創出緊急補助事業」を活用し全館借り上げ、橋本亭再生を行ってきた。同年7月にプレオープン、同年11月にグランドオープンされ、現在は、1階がカフェ「cafe and bar Hashimototey」、ギャラリー「ぎゃらりー いち」、和雑貨店舗「和みの蔵 橋本亭」として、2階が各種イベントの場所「清流の間」と倉庫、3階が倉庫として利用されている。衰退している瀧道の活性化のため起爆剤となることが期待されている。
11/24に瀧道の一部(箕面駅~瀧安寺)を歩いてきた。この区間の瀧道は大きく2つの顔をもつ。一つは一の橋~瀧安寺の自然遊歩道区間、もう一つは箕面駅~一の橋の観光商店街区間。
自然遊歩道区間は、箕面川沿いの遊歩道で、この区間には、箕面山荘や昆虫館など10件程度の建物しか建てられていない。ところどころに休憩スペースが設置され、自然を楽しむことができる。これらの装置はいずれも人工的になりすぎず、うまく作られているという感じがした。川の流路(地形)に合わせてつくられた曲がりくねった道の膨らみ部分などに休憩用のベンチが置か れている。また、川に下り水に触れることもで きる。
今回はちょうど紅葉の季節であったため、紅葉が非常にきれいで、休憩施設も多くの人に利用されていた。
観光商店街区間には、土産物屋が立
地し、各店舗前では紅葉てんぷらが調理されている。この通りはシャッターを閉める店も多く、箕面市ではその活性化に頭を悩ませているという。今回は、紅葉の時期であったため、多くの人が訪れ賑わっており、いつもはシャッターが閉まっている店も開店し、広場には露店(なぜかパン屋)も出店されていた。
今回歩いた印象としては、自然遊歩道区間よりも観光商店街区間に問題が多いと 感じた。
土産物屋はそれぞれ色鮮やかな色彩を使用して頑張り、
自己アピールし、良く言え ば活気のある雰囲気を 出そうとしている。しかし、それは「それぞれ」でしかないのである。それは、シャッターが閉まった商店や駐 車場、民家や集合住宅を間に挟んで、2~3件のまとまりごとに点 々と立地しているため、土産物屋が建ち並んでいるという連続性がない。歯抜け状態である。また、箕面山荘や梅屋敷といった純和風の歴史的建築物が自然の中に溶け込むように点在する自然遊歩道区間から、色鮮やかな土産屋が点在する観光商店街区間に入ると少し興ざめしてしまう。商店街が悪いわけではない。もう少しまとまり、全体の方向性のようなものがあれば良いと思う。それが、土産物屋が両側に建ち並ぶ賑わいのある商店街にするという方向を目指すのであれば、それはそれで良いと思う。しかし、現在の状況はどうも中途半端な気がする。全体の方向性が見えないままに、一つ一つが主張しているという状況なのだと思う。
これは道路舗装についても言える。観光商店街区間の舗装はどこにでもあるインターロッキングによる美装化が施されている。しかし、インターロッキングにする意味が分からない。自然遊歩道区間からつなげようという意識はないようだし、沿道の衰退している商店街の雰囲気にも合わない、舗装も色鮮やかな土産屋と同様に、主張している要素のひとつでしかなくなっているように感じた。
このように、それぞればらばらな統一感、方向性を持たない観光商店街区間は、現在は、瀧道の入口に位置しているから仕方なしに通るという通過点にすぎない存在と言っても過言ではない。紅葉のてんぷらや箕面地ビールの販売などなど、地域資源や地域イメージを上手く利用していこうとしており、やり方次第では非常に面白い通りになる可能性をもっていると思う。地域資源を利用するということは、それだけが一人歩きしてしまうと、単なる乱用でしかなくなってしまう。地域資源を利用するだけでなく、その恩恵を地域に還元していくこと、つまり、商売だけを考えるのではなく地域全体を考え、そのイメージや方向性に合わせていくという気持ちが必要があるのだと思う。
いずれにせよ、全体のイメージや将来の方向性を決め、それを地元で共有しておく必要があるのだと思う。





















































