形而上学とは、メタフィジクスと訳されますが、自然を超越した究極的な原理といえます。ここでいう自然とは、天候とは違い、現実の事象全般と認識してください。要するに物事の因果関係など、人の認識を超えた究極的な原理が存在しそれらを探求していく学問です。

マルテイン　ハイデッガーの著書「存在と時間」は、ギリシャローマン時代以来の高貴な宿題

であります、存在一般の意味をアリストテレース形而上学の再興、中世期のトマスアキナス

「神学大全」、ルネサンス時代以降のデカルト的考察を特例にあげ、古代ギリシャの哲学者

プラトン、ソクラテスをさんざん悩ませた宿題「存在一般の意味」の解明をこころみています。

いったい形而上学を再考するとはどういう事なのか。たとえば現代の商業主義的な大衆文化は、表層的な流行を追うことに終始しているだけです。情報が高速に全世界的に発信されて

人々が関心抱く。それぞれの国家の政治文化に影響され、人々は欲望を抱き、それらに翻弄される。事物や物には永遠的な価値はなく流行のサイクルによって価値を失っていきます。

人間も寿命があり老いや死を免れません。学問芸術にしても近代以前のものには永遠性が

ありましたが、現代芸術には商業主義的な物との境界線がなく価値はありません。

唯一、科学技術に対する信頼や発展はありますが、地球を含めた宇宙そして生物を物質的

機械的に推し量るという点で、ヒューマニティの疎外が問題になってきます。

現代人は高速に情報認識して、機械的に欲望し、それらを果たす。経済変動が最重要課題

であり、資産、能力、資質らによる階級闘争が相変わらず存在している。

結局これらは、唯物論的な事象であり奥底に潜む原理を疎外しています。して、形而上学とは

奥底にある原理を探求し、物事を精査していく作業です。