選挙で現職が再選を目指して立候補した場合、有権者は、程度の差こそあれ、現職者と対抗者を比較する。



多くは現職者を超える魅力がない対抗者には投票しない。



2位に終わった候補者は、個性的な選挙活動を展開し、予測不能な未来に関心を寄せる有権者の支持を得た。首長たる資質を持つかどうかは別問題だった。



3位に終わった立候補者は、完全に頑張る方向を間違えていた。



各陣営の戦略を見極めて、あえて出馬表明をずらした現職者は盤石の戦いだった。公務に励み、街頭演説を控えたのも無駄のないスマートなやり方だった。



この選挙は公示前に終わっていたと言える。



これからの選挙は、根拠に乏しい公約が増えてくるだろう。そして有権者は、公約はあくまで目標として理解し、夢を乗せて票を投じる。今回、政党の主張を混在させた立候補者もいたが、そもそも若年層において政党を理解している人は、あまりいないのではないか。



最終的には、失政しても納得できる候補者を選ぶということになる。



4位以下は、有効投票総数の1割未満となり、供託金300万円の没収となった。あまり選挙には関係なかった人達と言える。



これだけ立候補が多いと、上位者以外はほぼ埋没し、目的の半分すら果たせなかっただろう。



供託金の没収対象者は53人となり、机上の計算では、没収額は1億5千900万円となる。