ある小学校の警備員さんは、既に9年目に入っている。



通常は5年契約だ。なり手がおらず、受け手も依頼する側も、やむを得ず契約を延長している。



なり手がいない理由は、大きく二つある。



一つは、登録者の絶対数が不足していること。



警備員を含めた市内の特定の業務については、仕事を引退した60歳以上の人を対象に募集している職種があるが、その登録者が減っているということだ。



もう一つは、初めて知ったことだが、怖くて巡回できないという人がいるらしい。



特に夜の巡回が怖く、一日でやめた人もいるという。



親しい警備員さんも、慣れるのに3ヶ月かかったという。何度かやめようと思ったらしい。



言われてみれば、夜、1人で暗い校舎を回るのは確かに怖い。



物音や電気系統の音は、わかっていてもびくりとするだろうし、大雨や台風の日は尚更だ。



雷でも鳴ろうものなら、もはやホラー映画である。



単に暗闇が怖いというのもあるし、現実的な問題として侵入者が潜んでいるかもしれない。



新築の校舎は、センサーで自動的に足元を照らしてくれるが、多くの学校は懐中電灯を持って回る。



さまざまな理由でなり手がいないということだが、これは警備に限ったことではなく、通学時間の交通誘導員や用務員も同様だ。



兼任している人もいる。



慣れればこんな気楽な仕事はないですよと言う警備員さんもいるが、土日に関して言えば最大13時間、校内にいなければならない。



なり手がいないという問題に加え、体調を崩して休む人もおり、代替要員も必要だ。



公的なサポートはさまざまな問題に直面している。