かいらいとかえいこうについて。

 

 

ウクライナの問題が大きくなってきた頃

NHKで「かいらい政権」という言葉が

ニュースで流れてきました。

 

 

なんで「傀儡」と書かない? と

思ったのだけど、

まあ、まずはNHKのニュース・アナウンサーが

使う言葉って制限があると思うのだけど、

漢字が常用漢字じゃないとか、

NHKハンドブック(そんなのあったっけ)

に載ってないとかかなとか考えてたのね。

 

で、どうやら外れてはいないらしい。

 

でもひらがなで書くと一瞬わかりにくい

言葉ってあるよね。と。

たぶん「政権」がなかったら一瞬ぼーっと

するかもしれん。

 

 

この文字を息子に見せてみたら

「くぐつ」と言いおった。

この世代、漫画、ゲーム、ライトノベル

などなどでは「くぐつ」が当たり前に

なっていると知りましてね。

 

くぐつってのは、前になにかで読んだ

んだけど、江戸時代より前に、

操り人形、例えば文楽みたいなとか、

そういうところで使われていた言葉

だというのね。

じゃあ「かいらい」はどこからと

思うんだけど、たぶん漢字を分解して

一つ一つ見た時に かい と らい

だったんだろうなぁと。

 

でもニュース・新聞などで「傀儡」を

使う時は基本的に「かいらい」なのだと

そういう認識は漫画・ゲームで覚えた

人たちには無い。一律に「くぐつ」。

 

漫画とかゲームとか、普段と違って

カッコイイみたいな表記が優先される

からね、そのうちそっちが常識みたいに

なってきちゃう。

 

 

次。

知床で沈没した船について、

サルベージ会社が引き上げ、落下した

というニュースが流れたのは先日。

その時に「えい航」という言葉が出た。

「曳航」となぜ書かない? と思った

んだけど、たぶん傀儡と同じ理由

なんだろうと思ったのね。

この「曳」という字は常用漢字ではない

とのこと。

意外に目にするんだけどねぇ。

私が「曳航」を知ったのは三島由紀夫の

小説の表題から。「午後の曳航」。

船が船を引っ張る みたいな意味。

知床での船はまさにこれだよね。

 

あと、東京に「曳舟」という地名が

あって、「ひきふね」と読む。

ね? ある意味生活に身近な字なのよ。

でも「えい航」。

 

 

日本語の衰退を感じるねぇ。

日本語だけじゃなく、文学・芸能を

含めた広い範囲で、衰退、なんだろうな。

そんなことを、思っただけなんです(笑)