1、心壊

うっそうと茂る森の中。
辺りはもう暗くなり、カラスも鳴かなくなった頃。
獣道を突っ切っていく影があった。
灯りを持って、慣れたように進んでいくその影は、この暗闇を物怖じせず
あたかも森と同化でもしたかのように黙々と歩みを進めていた。
しばらくして歩き続けていると、突如視界が開けた。
空がはっきりと見えるようになり、星達が瞬いている。

森の中、唯一樹木が生えていない部分。
そこにポツンと建てられた山小屋がある。
こじんまりとしたそれは古いわりにしっかりとしている。

咲彦は中にいる人物が起きないように、そっと戸を開いた。




中は真っ暗で咲彦が持っている明かりだけが頼りだ。
「・・・・・・。」
蝋燭立てをやっとこさ見つけて、灯りをともした。

「・・・ゔ・・・。」

「あ、悪い、起こした?」

「・・・咲彦か・・・」

億劫そうにその男はゆっくりと起き上がると、
あくびを噛み殺しながらこう呟いた。

「・・・最悪だ。」

「?、何が?」

「・・・・・」

「・・・そんな睨まないでよ。」

この男、大石鍬次郎は溜息を一つ吐いて、
また横になる。

「・・・寝るよ、おやすみ。」

「ん」

そう言うやいなや、大石は眼を瞑り、眠りについた。

「・・・はーあ・・・」

起こさずに様子を見ようと思ったのに、
案の定起こしてしまった。
その上悪態までつかれて気分は文字通り‘最悪’としか言いようがない。
咲彦は横で寝ている嫌味な男を殴りたくなったが、
それをこらえて嘆息した。

「溜息多くなったな・・・俺・・・」

今更ながら、少し後悔しているのは事実なのだ。


本当に、この男を生かしてよかったのかと。


もちろん、自分自身の選択には後悔してはいないだろう。
しかし、ただただ、彼は不安なのだ。
この先、いったいどうなってしまうのだろうと。

「・・・ホントに、アンタは迷惑な人だよ。」

自分のお節介だとは、十分わかっているけど。

「・・・ま、俺もか。」



自らを嘲笑せずにはいられなかった。

















あとがきテイク2

自分の文章力のなさに嘆息しちまいますわこっちはorz
あ、注意しときますが、
大石×咲彦じゃないですよ。
ちゃんとした大石×倫小説です(汗)
咲彦は自害(?)しようとした大石を助けたみたいですね。
偽善的な感情じゃなくて、ちょっとした黒い感情で。
まあそれはここでは言いませんけど。
この小説、予想以上に長くなりそうです。
気長に待っててください(ペコリ
じゃあテストが近いので更新は遅くなりますよ。
それでは、今夜はこれまで。
ばっははーい←