Facebookにも書いたけど、今夜からEテレで始まった「達人達」という番組。とても面白かった。

こちらでは、出てきたキーワードを自分なりに咀嚼して考えて、一般化してみたいと思う。

まずこの番組は、各界のトップレベルにいる人達がインタビューし合うというシンプルだけど、高みに登ったが故に見えている景色があるんだろうなということをヒシヒシと考えさせられた。
そして、台本があるのかないのかわからないけど、高みにいる者同士だからこそ分かり合えること、言えることというのは大いにあると思った。

第1回目は、アントニオ猪木×天野篤(天皇陛下の心臓手術の執刀医)
今日の放送の中で印象的だったキーワードと自分なりの解釈をつけるとこんな感じではないかと。

<天野氏>

・執刀数は6000を超えているが、3000を超えたあたりから大局観
・若い時は自分の手に負えなくて引いていたが、
 3000を超えたあたりから攻めることができてきた
 →おそらくこの3000という数字が重要ではなくて、いわゆる「熟達」の域に達するには
  それ相応の時間をかけないといけないということではないかと。
  番組の中では年間の手術回数が400回と言っていたので、それを単純計算で8年弱。
  最初から年間400回もできることはないはずなので、最低10年以上はかかっているのだろう。
  そう考えると、一流の域に達するには最低10年は必要。
  逆に言うと10年かければ誰でもその道を極めることができるということなのかな。
  当然その前のバックグラウンドとか諸々あるものの、強ち間違った考え方ではない気がする。


・経験が多いほど予想外がすくない

・思いつきで上手く行ったのは、認めない
 物事がうまくいくには根拠がある
 成り立っている時に高い再現性を持つ

 →これはサイエンスやITの世界にも言えることだけど、何か問題が起こった時にそれをどう再現するかが
  意外と重要なポイントだと思う。つまり再現性があるかどうか。
   1回はまぐれでできることかもしれないが、それを2回、3回・・・と同じ結果を出し続けるためには
   再現できる仕組み化が必要であり、その仕組み(モデル)をどのように構築するか/できるかが
   腕の見せ所ではないかと。
   また、何か現象がおこるということは、一人で勝手に起こることは無く、必ずその前に何かしらの要因があり、
   その結果として現象が発生する訳なので、必ずその間にある因果をつかむことも必要になってくることである。
   だから、誤解を恐れずに言うと、再現性のある要因を与え続けることができるかが全てであり、
   それさえできてしまえば必然的に同じ結果が出てくるはず。。
  

・何かを当てはめれば突破口が見えてくる。手術の型が決まっている
 できるのにやらなかったことを後悔するのが怖い

 →経験を積むことによって見えてくるもの、できてくることは誰しも体験しているはず。
   ここで重要なことは「型」だと思う。
   最初は何をするにも不慣れであるためにどうしていいのか困ることも多々あるが、
   まずは先人の知恵を活かすという意味では、前の人がやっていたことを真似る。
   そして、それを自分なりに解釈してアレンジして自分なりの「型」を作る、
   ことが汎用性が高く、何かあったとしても一度「型」を作ってしまえば、あとはそれを
   改良するなりバージョンアップすればいいだけなので、これほど効率が良いことはないし
   時間短縮にも繋がっていいのではないかと思う。


・努力した人にはチャンスを掴むメガネが与えられる。
 何種類ものメガネがどんどん来る。
 メガネを持っているかどうかでチャンスが巡ってくるか。
 だからこそ努力をし続けるしか無い 

 →これは「幸運の女神には前髪しか無い」という言い回しにも近いのかなという気がしていたけど、
  個人的にはメガネの方が好きかな。
  なぜかというと、女神の方は掴み損ねるリスクはあるけど、メガネの方には少なくとも努力さえすれば
  メガネは与えられるということなので、それをいっぱい持てば持つほどチャンスを掴む可能性は高くなる。
  とはいっても、そのチャンスが確実に自分のものに出来るかどうかはやはり女神の話と同じなのかも
  しれないけど。。。
  でも、努力は報われるというのはいいことだと思う。


・山の高さを見せつける。
 富士山を登る準備よりエベレストを登る準備のほうが大変
 逆にエベレストを登る準備が出来れば、安全に富士山を登れる

 →実は、今回の放送の中でこれが一番心に残った言葉だった。
  人の育て方はどうするのかというくだりででてきたことばだった。
  天野医師は以前は手取り足取り教えたりしたこともあったそうだけど上手くいかなかった。
  で、結局のところ「究極の高さを見せつける」ということに落ち着いたらしい。
  こうすることによって、目指すべき場所というのが明確になるし、見せられた方も
  どうすればそこに行き着くことができるのかと「差」を認識し、埋めるための「手段=戦略」を
  考え、日々の行動に落とす事ができるのだと思う。
  そういう意味だと、「見せる」ということがやはり一番効果的なのかなと思った。
  とはいえ、おそらくは見せるだけではなだめで、ちゃんとフォローとかは必要なんだと思うけど。


<アントニオ猪木>


・試合が決まった段階で時間を合わせている
 →これは非常にわかりやすく、目標日を決めてそこから逆線表を引いてコンディションを合わせるという
  ビジネスと全く同じ考え方でやっているんだなと当然だけど、改めて感じさせられた。

・プロレスをする上で必要な4つの柱

 -怪我をしないための受け身

 -攻めの技術

 -感性と表現力

 -戦いを超えた信頼関係

 →これはペレストロイカ時代のロシアのレスリングの選手を日本に連れてきて試合をさせるだか
  なんだかの話で、プロレスに重要なのは↑であり、それで1~2万人の観客に見てもらうということを
  そのロシアの選手に話したところ、猪木のファンにすることができ、上手くいかせることができた
  というような話だったはず。
  またプロレス(スポーツ全般)は、「言葉の要らない外交」とも言っていた。
  それによって、イラクの人質開放も成し遂げたという凄いことをやってのける人もいることに
  非常に驚かされた。


・技も1ミリずれるとダメ
 
 →手術の血管を結ぶ糸と同じで、少しでもずれたら失敗で、それをずらさずにピンポイントで
   決めるから効果がある。力が全てではなく、どうすればそこをねらって仕留めることができるのか
   頭を使わないとできないこと。
   もっとよく考えろってことなんだろうな。


・お客さんより先に冒険心が無いといけない
 
 →お客さんを喜ばせるには、お客さんの想像(期待値)を超えることをやらないといけない。
   そのためには、新しいことに挑戦する冒険心が無いと駄目だということなんだろうな。
   猪木深いな。。

・問題が問題じゃない
 
 →何か問題だと思っても、実はそこは問題じゃなく全く別のところに問題があったとはよくあること。
  これも、表面だけを見るのではなく、根本的な問題は何かということをもっと見て考えないといけないことなんだろうな。

・褒めて育てられるほど生やさしい社会じゃない
 
 →最近は褒めて伸ばすというようなことが言われているが、本当にそれで伸びるのか。。
   たしかにそれで伸びる人もいるんだろうけど、社会はそんなに甘いモノじゃないということ言いたいんだろうな。
   褒めて伸びるんだったら、みんなそうするけどそうじゃない所も多い気がする

・ディスカッションして矛盾はとってあげる。方向性を決める。
 
 →とはいっても、やはりやはり本人のやりたいこと目指したいことと自分が考えていることに乖離があった場合には
  何故そうなのかとちゃんと話してフォローして納得させるというプロセスは必要とのこと。
 
・猪木の常識は非常識
 
 →猪木のやることは世の中一般的には非常識に見えるかもしれないが、そうすることによって
  今まで色々新しいことを生み出してきたという実績もある。
  それは、猪木自身にとってみれば常識でしか無いが、他の人から見たら非常識に映ってしまうのは
  しょうがない所ではあるのかな。。

・金儲けも大事だが夢を送る商売。何かが発信出来ればいい。
 
 →猪木自身は自分でビジネスもやっていて(失敗も多いけど)、早くからバイオ事業に取り組んだりして
   失敗して借金を作ってしまっても、何度でも繰り返し、新しいことに挑戦している。
   モハメド・アリを日本に呼んで9億円の借金を作っても、「モハメド・アリと戦った男」として世界に
   名前が知られる存在になり、それがイラクでの人質開放とかにも繋がるということを成し遂げたわけで
   自分の目指すべきことに向かって、邁進するということは本当にパワーが必要だけど、
   それをすることによって、それが出来た人だけが何かを発信できたり、世の中を変えることができるんだろうと
   改めて感じた。
   ちなみに、数十億の借金は既に返しているそうです。
   

キーワードはもっとあったのだが、印象的なものをざっと挙げるとこんな感じではないだろうか。
やはり高みを極めた人たちというのは、言葉は違えど言っていることは大体同じなんだなと改めて気付かされました。
ちなみに来週はカルロス・ゴーン×山崎直子(宇宙飛行士)とのことです。