もう一回だけ、しつこく失礼します。これが今回一番言いたかったことかもしれない。
連勝記録が切れた~って流れで何となく今大会のネイサンは不調だったと思っていたんだけど、落ち着いて改めて演技観直したら・・
え、何これ?!
ってなった![]()
特にFS
英国のコメンテーターが言ってるように、つまりネイサン今季は6クワド跳ぶと決めてるってことだよね(と今頃気づく)。
SPコケてやけになったってのがあるとはいえ、初戦から6クワドに挑戦して4本成功させてる。なのにあの悔しがり様・・・どこまでハードル高いんだって話なんだが、それに引っ張られて我々まで「あ~ネイサン調子悪い」なんて思っちまってるってのが・・・![]()
ユヅリスト達も千載一遇のチャンスとばかり「ネイサンも落ち目~
」を大合唱してるけど。あの~、クワド4本ほぼ完璧に降りてるし、ゆくゆくは6本成功させる気満々なんですけど・・え、落ち目なの??
そうか、御本尊には4Aがあるからね。入れればクワド7本出来ちゃうもんね。6クワドなんてもう時代遅れか・・・う~ん、納得
(・・・なわけない
)
なんてジャンプの話はもういいの。演技観直して驚愕したポイントはジャンプじゃないんで。なんか上手く言えないけど、もしかしたらこれ、とんでもなく凄いプロでは?と気づいたと言うか、そういう事です。
ネイサンのプログラム選択には定評があって、毎年「おお、そうきたか!」と膝を打つってのがこのところ通例だった。それが、今回はかなり評価のわかれる選曲。ネイサンファンの中でさえ若干戸惑う声が聞こえないでもない。増してや某界隈の盛り上がりぶりときたら(;^_^A
これ幸いと「ジャンプだけ」「芸術性ゼロ」という相も変らぬコールが飛び交う。いや、これは必ずしもアンチだけの意見ではないのかも知れない。フィギュアの芸術性とはこういうもの、という頑固な既成概念があるファンにはネイサンの前衛的アプローチを評価するのは至難の業なのかも。ロックなど只の雑音だと思ってる演歌好きなおっちゃんおばちゃんにロックの良さを理解しろと言うようなもの。でもそういうのが五輪だからと4年に一度フィギュアにチャンネルを合わせる大半の一般市民なのかも知れない。だから、五輪シーズンは皆万民受けする無難な曲を選ぶものなのだが、ネイサンにはそんな妥協をする気など全くないんだと思い知らされた。
でも、だからと言ってもちろん勝ちを放棄しているわけではない筈。ネイサンにはこの選曲で満場を唸らせる勝算があるのに違いない。
わざわざ五輪シーズンの為に温存してきたモーツァルトだっていうんだもの、あのネイサンが!彼がどれだけ五輪シーズンを大切に思っているか我々はよく知っている。その彼がこれと決めたプログラムが軽々しく批判出来るようなものであるはずがないよね。
とは言え、分かる人には既に分かってるようだ。
かのタラソワ女史がスケアメで一番衝撃的だった演技だと仰ったそうな。
「チェンのフリープログラムに感銘を受けました。一晩中眠れなかったほどです。モーツァルトの音楽に深く入り込んでいく様に心を動かされました。彼が他の選手と違うのは唯一無二であることです。そしてそうなるのは極めて困難なことなのです」
(上品なタラソワ女史の影響?何故かここから丁寧語に
)
天下のタラソワさんにここまで言わせる存在にネイサンはなったんですね。どれだけ才能があっても安全策に甘んじていたら決して頂けなかったお言葉だと思います。
多くのファンはネイサンに美しいコスで優雅なクラシックを演じて欲しいと願ってきました。私もその一員です。そしてそれを演じ切れる技量なら彼には十二分にありました。その方が一般受けもするし、風当たりもずっと軽かったに違いないのに。しかし、彼はその道を選びませんでした。思うにネイサンはこれまでとは異なる全く新しいタイプのフィギュアを創り上げようとしているのではないでしょうか。今季のSPとFSはどちらもその為に万全を期したプログラムなんだと思います。昨シーズンのグラスメドレーも当初は色々言われていました。それに対する答えがストックホルムワールド。今回も同様だと思います。
ネイサンはモーツァルトの才能に嫉妬するサリエリだと嘲笑ってるつぶやきを目にしました(モーツァルトが誰かは推して知るべしだそうです)。
今でこそ正統古典の代表的存在ですが、生前のモーツァルトは既成概念から大きくはみだした超前衛派だったんですよね。その斬新さについてゆけず演奏中に欠伸を禁じ得ない凡庸な国王様。それを見たサリエリがチャンス到来とばかりに取り入って、モーツァルト失脚を画策する・・確かそういう話でしたよね、アマデウスって。
一体誰がモーツァルトで誰がサリエリなのか、じっくり最後まで見極めようではありませんか。