まだ千葉県山武市にいます。


打ち合わせ等の調整がついたため、もう少しこちらで
旦那さんやお世話になってる有機農家さんと一緒に過ごさせて
もらうことにしました。


地震があった日、私は銀座にいました。
打ち合わせが終わり、小腹が空いたのでまだ行ったことが
なかったリニューアル後の銀座三越を見に行こうと、11階
レストランフロアのエスカレーターを降りたときに揺れが
始まったのです。


ガラスの割れる音、人の叫ぶ声。柱に必死にしがみつきながら
いつまでも終わらない地震に、これは夢なんじゃないだろうか、と
何度も自分にたずねたぐらいです。


幸いにも、銀座から実家が近かったのでかなり早い時間に着くことが
でき、千葉に住む旦那さんの無事もたまたまつながった電話で
地震後1時間のうちに確認することができました。


そして、いまはこうして千葉で野菜の出荷のお手伝いをしながら
比較的落ち着いた時間を過ごしています。


でも、東北地方の甚大な被害の映像を見るたびに、
帰宅困難だった大勢の友人の話を聞くたびに、
そして、計画停電に伴う電車の混乱の話を聞くたびに、

「私はとてもツイていた。私だけ楽な思いをしている。」

と自分を責めていたのです。


そのことをエッセリーニ作者のシモーナに伝えたとき、


「ユウコ、いい?罪の意識を感じる必要なんて全くない。
みんな、それぞれの痛みを感じているの。ほかに苦しんでいる人たちが
いるからといって、あなたも苦しまなければいけない、なんてことはないの。
いま、穏やかでいられる場所があるなら、そこにいればいい。
元気にならなければ他の人も助けることなんてできないのよ。分かる?」

と言われたのです。


この言葉にほんとうに救われました。


すでに前を向いて義援金をはじめ様々な活動をしている人たちがいる、
避難所等でまだまだ辛い思いをされている方たちもたくさんいるのに、
私はこんなに恵まれた環境にいながらこんなにも怯えている。


でも、それでいいんだと、少しだけですが思うことができました。


状況は違えど、今回の地震を通じて私と同じような思いをしている人に、
シモーナの「罪の意識を感じる必要なんて全くない」という言葉が
伝わればいいなと、心から思います。