こんにちは。

昨日のレッスンでは、ある生徒さんが発声練習で、5オクターブの音域で、声が出るようになられました。

5オクターブというと、かなり広い声域ですが、皆さんはご自身の声域を調べたことはありますか?普段の自分が出せる最も高い音、最も低い音を知っておくと、自分のコンディションをチェックするのに役立つと思います。
今日はいつもの最高音が出ないな、ということは力が入ってるかな、無理はしないでおこう、など客観視できるように思います。

ですが、声域よりももっと大事なのは、歌に使えるのはどこからどこまでの高さか、さらに自分の「美味しい声」が何の音か、を把握する事です。歌として成立する声がどこからどこまで出るか、美味しい声、つまり自分の声の中でも1番魅力的な声がどの音程で出易くて、どんな音色や、響きやすさになるかが、選曲の基準やキー設定の基準になるからです。

私の場合、
地声ぽい音色で響きやすいのがラ(A4)
裏声ぽい音色で響きやすいのが高い方のレ(D5)
です。

選曲の際、曲の中で、ここぞ!(高い音でロングトーンで伸ばす、など。)というところがラか、高い方のレになるような曲を選ぶ、またはキー設定をするようにしています。

ラをトップにするか、レをトップにするかで歌のカラーが変わります。また、歌に使える最低音は下のソ(G3)あたりなので、それとの兼ね合いも加味して、現時点で自分が出せる声で1番表現が豊かにできる曲やキーはどれか、という風に考えていきます。

どんな表現にしたいかを総合して決めていく時の判断材料になるので、自分の「美味しい声」を是非知っておいてください。いろんな音程で声を出すうち、見つかってきます。
また、訓練するうちに移り変わっていくものでもあるので、ときどき目安をアップデートしてみてくださいね。

声域にこだわるよりも、一曲を自分の声の魅力を存分に活かして、表現を豊かにすることに執着してみてください。