エンジン冷却システムに欠かせない重要な役割を担っているサーモスタット。 サーモスタット本体からの水漏れ、電子的なエラー入力など交換を要する場面がさまざまで有り、どの車種でも交換作業が多い箇所となります。
BMW純正部品に納入している純正供給OEMメーカー(サプライヤーメーカー)は
MAHLE傘下の「MAHLE BEHR」ブランドと
BrogWarner傘下の「WAHLER」ブランドが大半を占めております。

どちらも信頼度が高くサーモスタットメーカーといえばこの2大メーカーの印象です。
どちらか片方のブランドしかアフター供給していない製品などもございますが、 両ブランドから製品がラインナップされている場合、 弊社では実績と経験を考慮して、モデルによってメーカーを使い分けている場合がございます。
パターン①がこちら

E36 E46 E39 E53 E83など多数の車種に使用され主にM54エンジンに使用されている 純正品番1153-1437-040のサーモスタット
現在純正品はBEHR製が供給となります。

MAHLE BEHRブランド製品ですともちろん純正同等品

こちらがWAHLERブランド製品
見てすぐに違いが分かるかと思います。
そうです。
センサー部分の形状・作りが異なります。

WAHLER形状のサーモスタットが装着されている場合、赤丸センサー部分の付け根から冷却水漏れが起こることが多いです。

BEHR製ですとセンサー口部分までハウジングが一体となっています。


最近またマイナー変更が実施され、現在はこのような仕様となっております。 上記の理由から弊社ではこの品番のサーモスタットはBEHR製の商品を主に取り扱いさせて頂いています。
パターン②がこちら

純正品番 1153 7510 959のサーモスタット
こちらの品番のサーモスタットはWAHLERブランドが純正供給となっています。

こちらがWAHLERブランド製品
BMWロゴが削ってあるのが分かるかと思います。
純正供給している証であり、安心品質マークとも個人的には捉えています。笑
なぜこちらのサーモスタットをご紹介したかというと、
BEHRブランドのサーモスタットを使用した際に何度か取付に問題がございました。

サーモスタットとサーモハウジングをボルト3ヵ所で締めるタイプなのですが、

目視ではわかりずらいのですが、赤丸部分のサーモスタットを固定している部分の形状が若干長く、

サーモハウジングの突起部分に当たり、

ボルトを締めこんでいくと赤丸部分が干渉している為サーモスタットとハウジングが密着固定されず、

結果的に赤丸のサーモスタットのボルト固定部分にクラックが入り水漏れをしてしまいます。
以前からそういったトラブルがあったわけではなく、ある一定のロットでそういった事例がおきました。
上記をふまえてこの品番のサーモスタットに関しましては念のため弊社ではWAHLERブランドでご案内させて頂いております。
純正供給をしているOEMサプライヤーブランドでもこういった事例がございますので、 白箱無名ブランド品やコスト重視の類似商品などは論外となり、また無知識な販売店での購入でなく、純正品・純正OEM品を知識のある販売店にてご購入を強くお勧めいたします。
皆様の良いカーライフに少しでもお力になれましたら幸いです。
部品担当 渡邉